投稿日: Sep 23, 2011 11:48:7 PM
日本人はeBusinessに積極的なるべきと思う方へ
AppleStoreに行くとレジがなく、店員さんがお客さんのそばにやってきてiPhoneで決済をするのが評判になったことがある。AppleStoreのように元がネット直売のECであった場合はレジなど存在しないのがあたりまえで、店員さんはネット購買者の代理人をしているだけである。つまりECの仕組みは必ずしもネットで販売をするためだけにあるのではなく、事務処理の無人化のシステムであることがわかる。だからECをしていない場合でも、店舗で販売員の役割が大切な場合は、販売員は接客に専念して、事務処理部分を社内専用のECをイントラに作ればよいことになる。これはレジだけに限らず、ほとんどすべてのオフィス作業や倉庫・物流などバックヤード作業にあてはまることである。
こういった過去の人的作業や営業所・倉庫・物流などロケーションの利用方法を見直して、新たなフローとIT化によってビジネスの効率を高められるというのが、10数年前から叫ばれたeBusinessの考え方であった。eBusinessはECとかEDIに限らずサプライチェーンとかValueChainなども含めた総合的な考え方であり、これは企業の組織・構成そのものを変革するものでもあった。これは企業の売買や事業部・部門の再構成を年度内でも大胆にできるアメリカなどでは大いに進展をしたのだが、例え同じITを使っていても企業の組織は昔のままにしておきたい日本の多くの会社には当てはまりにくかった。だから日本企業ではEC直販はあっても従来ビジネスもそのまま残っているので、ECを手がけることは業務がプラスアルファになってしまう場合もあった。
日本でeBusinessが進んだのはIT化前後から上り調子にあった通信販売の業界であって、これは通販会社本体だけでなく、物流業者や倉庫業者、フルフィルメント・ピッキングなどの関連業者もeBusiness化が広がっている。例えばAmazonの送料が無料になったり、当日配達ができたりするのは、Amazonと業者の間での作業の革新があってできるようになったことで、通信販売が強くなるには、顧客との接点であるWebやケータイでの表現以外に、いかにバックヤードのeBusiness化が重要であるかがわかる。特にリアルタイム処理は一企業の中で行うだけでなく、企業連携でリアルタイム処理が可能にならないと、こういった勝組には加われないのだろう。
BtoCでさまざまな試みを繰り返してきたeBayも今は成長が止まったように見え、eBusinessの革新が踊り場にあるようにも思えるが、今までまだあまり手を付けていなかったBtoB分野に工夫をすれば、まだ伸びる可能性はあると思う。日本の通販でも入荷・ピッキング・出荷など物流のアウトソーシングの会社は、いろいろな会社の直販をまとめて扱うので、個々に物流を行うよりも効率がよい。それに加えて個々の通販では過剰在庫の処分などの問題を抱えるが、これも通販会社同士で融通できるとよい。これが一つのアウトソーシング会社で同居しているなら、調整はやりやすいし、そもそも過剰在庫分を輸送しないでも仕入れられる。つまりeBusinessが個々のビジネス間の調整にもなる。
たまたま日本ではeBusinessが進んでいないのでメディア制作やプローション・広告も従来のパターンのままでいるが、物流が当日発送の時代にメディアやプロモーションに何日も費やすわけには行かないことを考えて、顧客にメディアやプロモーションの提案をしなければならない。
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