投稿日: Aug 03, 2013 1:26:54 AM
デジタルデータ管理は悩みの種
過去のつもり積もったアナログデータをデジタルにする動きは加速しているが、ではデジタルになってつもり積もったデータをどのように今後管理していくのかについてはこれからの問題である。コンピュータ化というのは民間でも過去30年ほどの歴史があるが、過去30年間のデジタルデータがちゃんと管理されているかというと、これらはアナログよりも始末が悪いものとなっている。前職でもサーバのバックアップはテープに自動的にとるようにしていたのが、今世紀に入ってからは外付けHDDにバックアップをとるように変えた。結局テープにバックアップをとったものを長期保存にも使おうとしたのだが、テープ装置やテープ管理のアプリが残らないので、テープだけ置いておくことが意味がなかったからである。
前世紀にはCD-Rにバックアップをすることもしていたが、10年後にCD-Rをチェックすると100枚に1枚くらい不具合があってがっかりした。初期のCD-Rは1枚1000円もしていたのに。結局古いサーバのHDDを外しておいておいて、そこからデータを取り出す方が確実だった。今はHDDが最も容量単価が安いし、扱いやすいので、複数台のHDDを収納するNASとか大規模なストレージが使われる。しかしそういったところにバックアップを集中させてしまっては、そこに何かトラブルが起こった場合に問題である。
いろんな経験をした結果として、自宅の音源管理に関しては以下のような構成に至って、ここ数年は安定している。これは数万のアナログレコードをキャプチャーして、リマスターして、それをCDやmp3に編成して出力するためのもので、基本作業はデジタルのマスターを作って管理することである。
パソコンは2台構成で、PC1は入力に関するところで、キャプチャから、1曲単位の加工をして、マスターにするまでの作業に限り、そのデータはNASにコピーされる。NASには索引が作られていて、楽曲に関連するグラフィクス・アートワークもヒモ付けられている。
各PCには外付けのBackupHDDがあり、それらには索引関係もバックアップされている。当然PC1ではCaptureデータとMasterデータは必ずコピーし、途中の加工途中データはコピーしない。量的に多いのは加工途中データである。PC2は出力に関するところで、PC1同様の外付けBackupHDDがあり、PC1とはMasterデータが重複しており、MasterデータはNASにもあるために3箇所で保管される。
Masterデータの変更をいちいちバックアップするのかどうかについては、更新差分だけをいれるフォルダに溜めてからおこなうので、更新差分フォルダをマメにバックアップする。自動バックアップや同期というのはしない方針で、作業終了時のタスクとして上記のローカルバックアップや差分フォルダの更新をしている。習慣化することは大事だと考えた。
パソコンの事故は、パソコンが壊れることもあるが、外付けHDDの障害とかがあり、特に外付けを頻繁に取り外しするものがトラブルを起こしやすい。このような構成になる前には、やはりさまざまな事故があって、その原因となる要素をいろいろ考えたのだが、おおまかにいえば、HDDのソフト的な破損と操作ミスが2大原因である。HDDの構造が壊れてしまう事故は接触不良などによるデータ化けが多いので、普段にHDDの付け外しはしないようになっている。また紛らわしいフォルダやファイルの上書きによる事故というのがあるので、実はPC2はLANには直接つながず、別PCからUSB経由のリモートデスクトップという異質の環境にして混乱を起こさないようにしている。これはウイルス対策でもある。
外付けのHDDはいっぱいになったら新しいものと交換して、古いものはそのまま保存していく。これのお世話になったことも何度もある。経験的には10年前でも大丈夫であった。
これ以外も、動画や、仕事で使うデータも、だいたい3箇所にマスターを持つような似た管理をしている。マスターを重複させて、入力系と出力系の2系列のコンピュータシステムに分けるのが安直で安全な方法に思える。