投稿日: Oct 13, 2012 6:11:54 AM
絶えずイノベーションが要求されると思う方へ
かねてからYouTubeは偉大であることを書いてきたが、Ustreamについては認知はされるようになったとしても、人々の生活にどれだけ定着しているのかという点ではまだ疑問がある。特定の人々の間でビデオの情報を交換する手段としては、プライベートなところもサークル・クラブでも、Ustreamは便利に利用させてもらっているとは思うけれども、YouTubeがSNS風にコメントされて使われているようにはなっていないようだ。YouTubeで右欄にでてくるお勧め画像は、それなりのデータの相関が感じられて、高度な処理を行っているように見える。こういった検索性でUstreamが追いついていないという面はあるだろう。
Ustreamは講演やイベントなど長尺のものを無編集で記録しているものが多く、そのことも長所ではあっても、見るのが億劫になってしまう要素にもなっている。YouTubeも時間制限が緩和されていって、うっかり長いものを見てしまうことがあるが、サムネイルがあって、途中を飛ばして先を見ることもできる。ここらあたりはGoogle傘下に入ってからの日常的な技術革新を感じるところである。ECに関してeBayが十年かかってお勧めの向上を実現したことを、以前に記事『eBusinessの王道』で書いたが、ビッグデータとかクラウド時代というのはデータが溜まるほどにサービスが充実する時代なのだろう。
電子書籍というデジタルコンテンツも、単なるパッケージメディアの時代から、クラウドの一コンテンツとして、いろんなリンクやお勧めという土台の上に『読書』が成り立つように変わっていくはずだ。現状の電子書籍は検索エンジンで調べごとをしていても全然引っかからないものが多い。しかし業務で必要なコストをかけられるような場合には、調べたい内容が電子書籍で低額でリアルタイムに手に入るものならば、きっと自然に購入されることになろう。電子書籍がWikipediaをコピっているようでは内容が足りなさ過ぎなのだが、新書くらいの解説になって100円とかなら、BookOffよりもコストパフォーマンスの高いサービスになる。
それだけではなく、電子書籍の全文検索をデータセンタで行うような段階になれば、そのコンテンツを何処にどのようなタイミングで関連付ければ発見されやすいのかというのは、編集側の人間の意図とは別に新しい道がいくつも見つかるようになるだろう。推理小説だと思われていたものが紀行文でもあるとか、歴史ものだけれども恋愛小説的な要素があるとか、本の新しい見方を自然言語処理で行うこともあるだろう。これらは昨日今日始まったことではなく、コンピュータの歴史の中でいろいろな研究をしていたことなのだが、何らか社会に役立つものとして日の目を見る時代が近づいているともいえる。