投稿日: Jan 03, 2012 2:4:56 AM
次世代に期待している方へ
日本ではメディア作りを教育の場で行っているのは、小学校での社会見学を新聞のようにまとめるとか、学級新聞をみんなでつくってみるとかくらいで、写真や映像の撮り方とか、紙面レイアウトとか、コピーの書き方というのはあまりないと思う。一方で文部科学省は 総合的な学習の時間 というのを体験学習や問題解決学習の重視、学校・家庭・地域の連携を掲げている。そのためには地域で子供が体験して感じたことをまとめたとしても、それを表現する能力や、その表現がもたらす情報の受け手の変化をフィードバックして再度考えるコミュニケーション能力まで子供を指導するのがいいだろう。
記事『何も無くなった大地に立って思うこと』では、2011年3月11日の東日本大震災の被災地の子供たちが復興に向かう人々の様子に立ち合ってレポートをさせるような学習がよいと書いた。そのレポート自身が被災地の方々を元気付けるだろうし、外部への情報発信にもなるし、何より彼らはそのことを通じて自分たちの地域の将来像や自分の社会的役割を考えるであろう。しかしこういったことは被災地に限らず、今の日本はいろんな意味で課題を抱えていて、矛盾が呈露しだしているのだから、広く行われてもいいことだと思った。
すでに子供達はメールやBlogやSNSを使って日常的に情報交換をしているので、子供向けのpaper.liやFlipBoardのようなテンプレートを作れば、教室で新聞や雑誌作りまで含めた総合的な学習は可能になるし、殆どコストはかからない。ただし電子教科書と同じで先生のリテラシーが追いついていないから難しいという声が出るのだろうが、そこは民間のボランティアが行えばよい。つまり子供達とメディアつくりのプロの接点を作れば良いわけである。
さらに加えて情報の受け手との双方向なコミュニケーションを経験する必要がある。これは従来の一方通行的なマスメディアのプロが教えることができない領域なのだが、臭い物には蓋をするメディア作りではなく、事実と向き合う姿勢を誰がどう教えるのかというのが最大の課題かもしれない。炎上、風評、地域エゴ、こういったことを良しとしないで、問題に立ち向かう将来の日本人を育てたいものである。