投稿日: Feb 21, 2015 2:4:47 AM
カラースキャナというのが使われなくなって久しい。家庭内でもEPSONのスキャナを使っていたのだが、Windows7になったらドライバが提供されなくなって、使えなくなってしまった。それでもデジタルカメラがよくなったので、昔のカラープリントもカメラで撮ってレタッチするようになった。しかしこれが曲者で、真面目に再現しようと思うといろいろ困難がある。
以前に紙がひどくカールしたり折れた紙焼きがあって、背面を湿らせて柔らかくしてからスキャナのガラス板に押し付けてスキャンしたことがあったが、デジタルカメラではどうしても表面のカールの具合が濃淡のムラになり、照明が非常に難しい。
私の使うデジタルカメラは安物だったので、如何に良い照明でも、レンズの中心と周辺では明るさや画質の違いがでてしまう。これは紙や繊維のような白地であっても合い(凹凸)模様がある素材では、中心部と周辺ではムラが起こり、それが画像にも変化として現れやすい。だから全面に紙の素材感を出したい場合はスキャナの方がよい。デジタルカメラでは採光とレンズの中心からの方向性によって均一なものにはならないからである。要するにスキャナなら照明ムラがほぼない。
またスキャナにはカラー印刷物のような反射物から撮る場合のデ・スクリーニングの機能があったが、デジカメでは後のレタッチの仕事としてやらなければならない。レタッチに負担がかかってしまう。要するにデジタルカメラ時代になって、PhotoshopLEのようなバンドルソフトでできること以外はされなくなってしまったような気がする。
先日オープンされた某ホームページのトップに、デカデカと昔の写真が載っていたのだが、カラープリントから撮ったものとみえて、黄色が退色している。有名な人物が並んでいるのだが全体にブルーバイオレットが強く出過ぎてキモチワルイ画像になっている。どうもWebをデザインした人は写真のレタッチはできなかったようだ。
他にもWebに古い写真がいっぱい貼っているサイトを見ると、やはりレタッチはあまりされていない。だから画質に大きなばらつきがある。その方がレトロ感が高まるのかもしれない。古い写真をあまりにもレタッチをして画像を弄繰り回すことは避けるべきだが、退色のような劣化は元の姿に戻してあげるのが親切だろうと思う。
サービスサイズのカラープリントは現像にも問題があったらしく帯状にムラが出来ているものもあった。これらもレタッチついでに治してあげるのが良い。
しかし昔は印刷の前工程として発達した写真製版は、今のWebやモバイルの制作の人には知らない世界なので、レタッチを学ぶことがそもそも困難になってきている。どこかでレタッチを教えるところはあるのだろうか?
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