投稿日: Nov 17, 2011 12:53:57 AM
日本的発想から脱却したい方へ
CD屋さんが次々と閉店している。と聞くとCDというパッケージ媒体が無くなるのではないかという印象をもつのは当然だ。これは駅前の書店が無くなっていくのも似ていて、本が無くなるのではないか、という話もされている。しかし過去にも書いたように書籍は作り過ぎによって出版社の経営が悪くなっているので、総量の動きで見ると需要がないとは思えない。音楽も同様で、CDが始まった1980年代半ばと比べて、日本国内はほぼ同じような人口ながら、音楽メディアの販売は150%くらいに上がっているのである。出版物も1980年代半ばに比べれば売上は上昇しているが、出版点数が倍増しているので個々の商品の利益性が著しく悪くなったのである。
音楽も出版も1996-1998年ころに売上のピークがあったわけだが、これは明らかに作り過ぎの状況にあったために、その後の調整に長い下降の時期があったと考えるべきだろう。しかしその下降時期に経営の刷新ができなかったのが両業界であって、運が悪いことにこの下降期こそケータイやネットというデジタルメディアの躍進期で、気の利いた若手というのがリストラ中であった既存業界には入社しないことが起こった。
1996-1998年ころのピークを担った世代はインターネット以前の人たちで、もう定年を迎える世代である。あるいは経営陣として居座っている。その頃の経営の経験は捨てなければ1990年代のバブルとその後の崩壊から抜け出せない。音楽も出版も需要はあるわけなので、ITにいじめられているというような言い訳は見苦しいし、無能さを晒している経営をしている会社に若い世代は入ってこないだろう。
自動車にしても需要はあるのに会社の経営が難しいのは、商品の循環に合わせた経営になっていないからで、その代表は無限の右肩上がり指向であるが、そうならば海外市場に出る以外はない。日本もコンテンツの輸出をする方向性もあるが、それには世界の市場をもっと理解する必要があって、その勉強はまだこれからである。コンテンツの輸出が軌道に乗る日まで従来の売上指向で会社がやっていけるのだろうか? 内需型の産業ほど、経営側が自己変革して乗り切るしか方法はないと思うのだが。
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