投稿日: May 15, 2012 1:38:56 AM
HTML5になっても課題は多いと思う方へ
アメリカではKindleFireのヒットもあってタブレットは情報端末として定着した。何でも来年になるとタブレットの出荷台数は2000年頃のPC出荷に匹敵するようになるという調査もあるそうな。つまり情報発信側からするとタブレットやスマホなどのモバイル向けに情報を用意することは必須になりつつある。日本でもiモードからAndroidへの移行は始まっているが、それで従来iモード課金の商売をしていたところが伸びたかというと、今年は逆に下り坂になる決算がよくみられる。つまり日本はスマホ・タブレットに向かって雪崩的に移行するようには見えない。まあタブレットの普及台数は韓国の方が多いかもしれないし、電子書籍端末も中国の方が遥かに多くなってしまっただろう。これは日本が情報お腹いっぱい状態になっていて、新しいデバイスでもっと多くの情報が得られるという期待感がないからだろう。
日本でゲームが高度化していったのも、単に読むだけや見るだけのコンテンツはお腹いっぱいだったからこそ、操作をするとか参画するコンテンツが受けたのではないだろうか。スマートデバイスの日本での発展は、コロプラのようにゲーム性とリアルワールドのミックスの面白さになるのではないかという話があったが、別にARとかに限らずに、全く仮想の閉鎖的世界で完結するのではなく、リアルワールドへの誘導としてチラシ・パンフがあるように、デジタルモバイルデバイスによるゲーム性のある仕掛けというのは増えていくだろう。例えば商店街の福引のようなものはリアル店舗でのポイントが溜まるとゲームになるという感じである。
しかし元々ゲームをしたい人ばかりではないので、従来のゲーム機をいじるのが好きという風のユーザインタフェースからは一皮向けて、不器用な人でも直感的にすぐできるやり方で再構成する必要がある。そもそもタブレットが幼稚園児まで普及するようになったのは操作性の極度な単純化にその理由があり、Webページですら作り直しが必要になるが、それも進んでいない。だいたいWebを作っている人は似たものをもう一度作るのは嫌なのだろう。Webのままでもスマホ・タブレットで見られるじゃないかという声はよく聞くが、これはインターネットの時代になれば紙媒体用のPDFをアップロードしておけば用が足りるという考えと同じで、そういったサービスが広がっていくはずはない。
つまりユーザインタフェースは不断に進歩するのがデジタルメディアであって、コンテンツの側からするとユーザインタフェースに凝ったことをすると寿命が短くなってしまうのである。だからマイグレーションが行ないやすいコンテンツ管理が求められてSGMLやXMLというのが発展したのである。しかしだいたいの制作の仕事は、求められたものを納品すればオワリなので、XMLでもどこかのネイティブフォーマットでも同じであるし、動作速度からするとネイティブで個別な方法をTIPSとして重んじてしまう傾向がある。今のデジタルコンテンツでアプリ化させるのにcやjavaなどで書いたコード部分はツケを次世代にまわすことになる。マイクロソフトのような巨人の出番がなくなりつつあるが、iOSやAndroidがコードのマイグレーションのサポートをどうするのかにもかかっている。