投稿日: Jan 12, 2012 1:11:58 AM
自然に外国語を身につけたい方へ
先週韓国に行った際に、独自に日本語を勉強してある程度話せるようになった人に何人か会ったり、世話になった。日本と韓国の間でビジネスの関係が深まっていく背景には、やはり言語の壁をどう乗り越えていくかという課題があるが、それは従来の語学教育とは異なっている。一人はきれいな日本語の発音をするエンジニアだったが、日本に住んだことはないという。その人は日本語を覚えるために毎日1時間NHKをかぶりつきで見ていたそうだ。だからアナウンサ的癖のない発音が身についたのだろう。もう一人は日本語が読め、また割りと日常会話のやわらかい表現もできる人だった。この人は日本のマンガが好きでそこから日本語を覚えたという。この人の発音は韓国人が日本語をしゃべる時の癖が出ている。この2人を足し合わせたようなことができると、白鳳みたいに日本語がしゃべれるかもしれない。
ともかく、テレビやマンガといったメディアが言語能力に大きく影響することは確かなようだ。当然ながら外国語の習得を目的とした番組や教材をまじめにこなせば、それなりに習得できることは明らかであるが、それらに挫折する人は多い。だからメディアの力としては語学専門コンテンツ以外に、映画の字幕のごとく日常的に存在して挫折しないような周辺コンテンツが充実すると、外国語を理解する人は増えることになるだろう。街の看板や雑誌のタイトルにも横文字は多くなっているが、それらは英語や欧語として正確な使い方でなかったり、わざわざ綴りを変えてあったりするので、必ずしも役に立っているとはいえないだろう。日本からのコンテンツ輸出を考えても、日本人も外国語に親しむことで、輸出ビジネスは盛んになるのではないか。
今のところ教育熱心な親が受験志向で幼児から英語を教えようという傾向があるが、それは自然な英語習得とはちょっと違う気がする。日本の幼稚園児をアメリカに連れて行って1ヶ月すると同じ幼稚園児同士が英語でしゃべっているという状況を見たことがあるが、外国語の学習スタイルは世代に応じて多様なのだと思う。幼稚園児同士なら英語でしゃべるようになるのが早いように、子供は子供の世界で自然に接するものに外国語を織り交ぜていけばよい。その土台の上で海外赴任家族の子供のための専門語学教育などを日本ですれば、ストレスは少なくなるだろうし、受験英語と違って身につくものになろう。
つまりネットの時代になって、スマホ・モバイルが子供にも使えるものになって、そこではマルチメディアが当たり前になっているので、いろんな世代のライフスタイルの中に外国語に親しむ要素が入れられるようになる。これは子供に限らず、料理という分野でも、スポーツでも、自分の興味のある分野で外国語を学ぶ機会はできるということである。ユビキタス時代には紙の教材や教室、あるいは番組といった中に閉じ込められていたコンテンツを解放して、人の日常生活の場に出していくことで新たな用途開発をする可能性が高まったといえる。