投稿日: Jan 28, 2014 1:9:53 AM
ITに戦略は不要なのか
知人にはパソコンが趣味であったり自作パソコンの人が結構たくさん居るのだが、みんな高齢化しているので、今の若い人がどの程度パソコンに興味を持っているのかがわからない。ウチの子供もPCやスマホはそれなりに何でも勝手に使いこなしてはいるが、パソコンの仕組みなどには全然興味をもっていない。スマホとパソコンは同等のものであるとは思っているようだが、スマホは中を開けてイジらないのだからPCもイジる必要はないと考えるのかもしれない。
自動車の普及につれて大半の利用者が自動車の仕組みを全く知らなくなったのと似ている。
自動車の場合は車検があって、その時は専門家がチェックしてくれるのだが、パソコンが不調になったらどうするのであろうか?パソコンでの処理を全廃して、すべてネットの端末とクラウドの処理になった暁には、端末を取り替えても何の差支えもないであろうが、記事『クラウドに不安はないか?』で書いたように、当面はそうはいかないものも結構ある。
またクラウドはアメリカの戦略であって、日本が何も知らないでITを使う社会になるというのは、ITで国際的な戦略を進めようとしているアメリカなどの思いのままの利用になることでもある。これは日本人が喜んでそうしていることだから、ダメというわけにもいかないが、それによってどのような不利が生じるだろうかということは考えておかなければならないだろう。
今はなるべくクラウド化して利用者側の管理上の負担を減らしたいという時期であろう。しかしブラウザにchromeを使っていると、ネットで使うIDやパスワードは全部Googleに管理をお任せすることになる。自分で使うパスワードを忘れてしまった場合には、chromeの設定の履歴の中から、どのサイトの場合がどうであったかを簡単に見ることができるわけだから。我々は自分のIDやパスワードをGoogleに人質として差し出して利便性を得ているともいえる。
iOSやAndoroidにもあてはまることだが、一民間企業が世界中の人のwebにおけるIDやパスワードや利用履歴を管理しているというのはいいのか?という議論は聞こえてこないのだが、人々がそれに納得しているのかどうか疑問である。
中国はこういう状況を早い段階から察知して、中国人がアメリカのサービスを使わないように、自国内に検索エンジンでもSNSでも動画投稿でもECでも同等のサービスを立ち上げさせて無料で国民に使わせている。これによって国民の利用動向を把握したり、必要なときには統制がしやすくしているのだと思う。中国はスパコンやビッグデータにも力を入れていて、それが情報監視や統制につながるのだろうが、それはすでにアメリカが先行していることでもある。アメリカは今は犯罪捜査で誤認逮捕するようなビッグデータ処理で、愚かな面が出ているのだが、世界の情報を集めて処理して、これからそれが何か役立つようになるのだろうか? アメリカの手の内はわからない。
いずれにせよ日本は、アメリカのまな板の上にのっているだけの状態であることには、日本の誰も配慮していないかのような状態である。