投稿日: Dec 29, 2012 2:18:47 AM
自分も何かしたいと思う方へ
子供の頃はボーイスカウトに入っていたので、赤い羽根の募金をしたり、初詣の交通整理にかり出されたりした。熱田神宮の初詣では31日夜に集まって夜中に押し寄せる人の波を誘導するのだが、埋めつくされる人に圧倒されて、何の役にも立たなかった気がした。ともかく、ボーイスカウトはその地域の団の特性にもよるのだが、私の入っていたところは社会活動を重んじていて、単純なお楽しみだけでなく、孤児院の人たちと遊ぶ企画とか、いろんな経験をした。こういったことを通して自分の生きている社会がどのように成り立っているのかを肌で感じることが多く出来たと思う。
と同時に、いろいろな矛盾というのも意識するようになった。例えば赤い羽根では実際の募金してもらった金額の15%くらいしか献金にならずに、85%は経費(プラス原価)に消えていた。つまりそれまでは100円出した人は、その100円が困った人のところに行くと考えがちだが、実は15円しか困った人には行かないわけなので、こういう募金という方法に疑問をもったし、がっかりした。それ以来自分では赤い羽根には募金をしなくなった。またいろんな慈善活動をみる場合も、その仕組みがどのようなものなのかを気にするようになった。自分も社会のために何かをしなければと思う方は多いのに、それがスムースにできるためにはいろいろ課題があったからである。
パソコンの時代になって、シェアウェアのような方式ができて、すばらしいと思ったのは、ドネーションの丸ごとが作者の手に入ることである。幾らか金銭の受け取りに経費がかかったとしても、こういった募金する方と受け取るほうの直結するシステムがうまく出来ればよいわけで、今ECの仕組みの決済の際に、自分の募金したい先を選んで、支払いの端数を切り上げて差額を募金するようなことも始まっている。これはECサイトがメセナ的にシステムの機能の一部を提供しているものと思われる。現在の募金先は名前の通ったNPOやNGOが多いようだ。これは仲介しているECサイトの方でも、怪しいとか問題のある募金先を入れたくないので、実績のあるところだけを選別しているからだろう。
この場合は小額課金のシステムが、もっと金額の多いと取引の決済にバンドルされているわけだが、PayPalのような小額決済のシステムが一般化すれば、募金とかSOHOのビジネスというのは大きな革命になる可能性がある。募金でもSOHOの請負でも事前に相手の信頼を得ることができないと成立しないので、オークションにおける売り買いをする人の評価のようなシステムも必要になる。しかしいずれにせよ、中間ヌキのシステムは今日では問題なく作れるわけで、それも取引される金額が低いほど有効なのだから、従来の経済の枠とは別のプロジェクトというのは今後いろいろと起こってくるであろう。