投稿日: Sep 08, 2011 12:0:24 AM
最近もの忘れがヒドいと思う方へ
ネットにつながったサービスで、クリックをしているだけでモノゴトが片付いていくと、おおなんと素晴らしいんだと思うが、それらの多くが年月を経るにしたがって、ID・パスワード・暗証番号などが分からなくなって、新規登録をやりなおすはめになる。こういった利用者の認証手続きはシステムを作る側がそれぞれ決めていることで、例え利用者が同じものを異なるサービスでも使いまわしたいと思っても、利用できる文字や文字数の制約がそれぞれ異なるために、まったく同じにはできず、少しづつ変えていると、やはり何がなんだかわからなくなり、利用は次第に遠のいていく。
このためにOpenIDというような異なるサービス提供者が同じ認証を使う方法が作られたり、ソーシャルメディアはそういった負担を感じさせないようにして一挙に広まっていった。ソーシャルメディアのようにお金に関係しないサービスではあるが、それまでのネットのセキュリティとは異なる立場をとったにもかかわらず成功したのは、進歩であるといえる。しかしネット全体でみると、セキュリティに気遣うあまり利用が減るような退化している点の方が多いかもしれない。
最近PayPalがパスワードの文字で大文字小文字の区別をしてそれと数字を組み合わせた複雑なものにしろと命令してきた。PayPalはeBayの支払いに使っているので、eBayと同じID・パスワードにしてあったのだが、バラバラになってしまった。それでも毎日使うサービスは我慢して使うしかないのだが、月に1回とか、何か起こったときだけ使うようなシステムで複雑な認証が必要になると、紙に書いて貼っておくしかなくなる。おそらく認証を必要なサービスを何十も使っているので、紙に書いたものをどう管理するかという問題もある。バイオメトリックスとか本人を特定する技術もあるのだろうが、いろいろなものが一長一短で、こういった点がネットの利用の障害になっているはずだ。i-modeが広く使われるようになったのはキャリア側が本人認証を引き受けていたからであろう。
また家人が使っていたもので、最初の1~2ヶ月の間に何回か使って、その後はログイン方法を忘れて入れなくなったにもかかわらず、毎月基本料金は引き落とされていているものがあった。怪しいサービスではそういった人のモノ忘れを想定して、実利用なしに引き落としで稼ぐことを念頭に置いていたと思えるものもある。こういったサービスをはびこらせてしまうのもネット全体で見ると退化である。システム側から見ると緊急を要するセキュリティ対策で、サービスの連携は無視して個別に当座の対策を講じなければならないことがあるのは分かる。しかしそんなことをこの10数年繰り返して進歩がないのは困りものである。
このままではネット上の経済は飽和してしまうであろうし、それを乗り越えるにはTutayaのTポイントのような多くのサービス体が相乗りした仕組みを持ち込むことしかないであろう。