投稿日: Jun 09, 2011 11:48:54 PM
経験者の話をぜひ聞きたい方へ
電子書籍元年と言われた頃は、出版にかかわるかなりの人が1点試しにやってみましたという段階で、紙で売れなくても電子で売れるかなという幻想があったかもしれない。しかし電子書籍単体では食ってはいけそうにないので、もう幻想にひきずられてはいられないが、ビジネスとしてどのように組み立てるべきか見えずに困惑しているところが多い。紙のコンテンツは膨大に存在するのにうまく換金できないが、電子コンテンツ流通なら改善できるところがあるはずだという信念は残っている。
紙の出版の場合は自分でビジネスモデルの一から十まで考える必要は無く、判型・造本・価格・流通などのパターンが豊富にあって参考にできる。これに相当するのがKindleやiBookStoreのようなビジネスの土台となるサービスである。しかし日本はそれを積極的に受け入れる姿勢はないので、電子書籍の発行者がこれらすべて担うとなると作る側の負担やリスクははなはだ大きい。
しかしたとえKindleやiBookStoreが日本でサービスしても、やはり造本や価格や流通の工夫をする必要は残るし、そこは日本独自の要素もあるだろうから出版ビジネスのノウハウが発揮されるところでもある。今は大手電子書籍ストアがそれぞれ勝手に電子書籍ビジネスのスキームを作っているが、それが成功する確証はないことは、あまり投資がついていないことからもわかる。むしろ多くの人が電子書籍をやってみた経験を総括すると、ボトムアップによっても、ある程度ビジネスモデルが見えてくるような段階になるだろう。
どうしたらビジネスになるかというのは、電子書籍に対する期待値、そこから来るところのどのようなスタンスで立ち向かうか、投入量、利益性、流通やアウトプットの選択肢、などいろいろなことをまとめて考えなければならない。まず手始めとして以下の3つくらいの切り口で整理してみたらどうかと思う。
1.電子書籍の企画・プロデュース
コンテンツとターゲットのマッチング それに則したデバイス・流通の選択
2.電子書籍は紙の本の作り方とどう違うか
サービス設計 課金 売り方の問題
3.電子書籍の設計・制作
いわゆる造本設計、用途設計、ユーザビリティ、総合としてのデザイン