投稿日: Sep 12, 2014 2:25:56 AM
9.11から13年が過ぎた。今はこの日にまた何かが起こるのではないかと心配する人も少なくなった。現場での式典の警備も緩和されてきていると聞いている。しかし多くの人が亡くなった慰霊だけが残って、これは一体なんだったのかを考えることはかえって難しくなってきているように思える。その一つは納得のいくちゃんとした報告書ができなかったせいである。ネットではトンデモな陰謀説も次々登場した。
なぜニューヨークのWTC(WorldTradeCenter)が攻撃されなければならないのかについて直接の理由は解明されていないが、漠然とはアメリカの市場主義的な考えによる世界経済支配に抵抗する運動の頂点であると考えられる。しかしこういう抵抗は世界中にあるがために、犯人グループを特定する助けにはならない。
そこで当時アメリカが知り得たもっとも反米的な過激派集団とされたアルカイダのせいにしたのであろうが、その組織の中でどのように準備がされて9.11に至ったのかは解明されてはいない。実行の基盤となった組織は何年間も極秘計画を着実に進めることのできる相当しっかりした組織であったはずである。それはCIAの特殊工作にも負けないようなもので、アメリカの事情にも相当精通している人たちであろうから、アフガンの山岳にするゲリラができるはずはない。アメリカは病気療養中のオサマビンラディンを奇襲して死体を海に投棄してすべてが終わったと宣言したが、未だに組織の中心はわからないのである。
背景の組織はイラクにあるとアメリカは考えて、フセインが大量破壊兵器をもっているとの理由で攻め込み、フセインも絞首刑にされたが、大量破壊兵器は見つからなかった。それから13年、2014年の6月にISISはイラクの都市を次々に攻略し、大量のイラク政府軍および関係者を殺害した。今では彼らは「イスラム国」と名乗り、その兵力からすると軍事的にはベルギー1国に匹敵するほどになった。イラク政府軍を一挙に叩き潰したことで大きくなったということは、イラク政府軍からイスラム国に移動した人が多くいることが想像できる。だからフセイン後に欧米から与えられた兵器や物資も彼らの手に渡る分けで、まるで将棋の世界のようである。
これは9.11の後始末がうまくいったのか、いかなかったのか? 答えは明らかでしょう。しかし一旦イラクから手を引くことにしたアメリカもシリアでの「イスラム国」支配地域に空爆をすることを発表した。今回は無人機によるものなのでアメリカ国内の厭戦気分を逆撫ではしないからいいのではないかと考えたのだろう。
空爆についてはアメリカはサウジアラビアなどに合意をとりつけたというが、それで簡単にコトが治まらないとすると、今度はサウジアラビアが揺さぶられるようになりかねないと思う。今まで一応安定していたサウジアラビアもすでに国民の中から「イスラム国」に合流した人をかなり出しているからである。
また「イスラム国」が国家として成長する可能性は少なく、むしろ崩壊して欧米にテロリストをまき散らす可能性の方が高いと思う。
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