投稿日: May 16, 2015 12:30:28 AM
BBキングが89歳で亡くなられた。ブルースマンとしては長生きだったかもしれない。BBキングが初来日の頃、私はスクリン印刷の看板屋に居て、大阪公演の看板なども作っていた。その後BBキングが何度来日したのかは知らないが、レコードを集めている時に、「スペインにも東京にも行った…」みたいなことを歌っているシングルがあった。またその歌に女性がアンサーソングを出していて、両方とも私のお気に入りであった。しかし日本では殆ど話題になったことはないと思う。
昨日BBキングの訃報とともに、彼のベスト5を選ぶということをアメリカのどこかの新聞社がやっていてい、その5位に上記の "Never Make Your Move Too Soon" が挙がっていた。
難しい英語ではないので、曲の印象はつかめると思うが、巡業ツアーに出ている間に、My Babyがどっかに引っ越してしまった、みたいな歌である。曲調もギターファンを唸らすようなものとはどこか異なっている。
このアンサーソングもストレートに応える歌詞である。
これらの意味していることがいくつかある。この曲を録音する頃のBBキングはヨーロッパなど非黒人向けに主に仕事をしていたが、黒人社会を忘れていないという点がある。それはコンサートホールでの演奏を想定した音作りではなく、街の酒場の音作りになっていることと、地元に残したMy Baby向けに歌っている点である。
こういう黒人社会向けの歌だから、Lynn White のようなローカルなミュージシャンが即座に反応したのだろう。ライブのステージと客席で男女のやり取りをみんなでやるといったノリである。ここらへんはバディガイなどが黒人コミュニティとは離れてしまったのとは大きな違いである。
音楽的にブルースの曲としてどうのこうのという評価ではなく、黒人のブルースらしさが表われた曲であるから選ばれたのだろうし、事実アメリカでは白人黒人問わずカバーされている曲である。
また昨夜中に思い出してYouTubeにアップしたのだが、おそらく1970年前後のもので、黒人の食生活改善のためのラジオキャンペーンをBBキングがやっているものがあった。これは黒人向けラジオ局のレコードをごっそり手に入れた時に入っていたもので、ラジオ局に配られただけで販売はされていない。これなども社会貢献であるだろうし、どれだけBBキングがアメリカ黒人に親しまれていたかが伺えるものでもある。
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