投稿日: Sep 27, 2011 11:25:44 PM
両者は入り混じりあいつつあると思う方へ
最近は「ネットか、マスか」といった単純なメディア比較は減ってきたと思っていたが、マスがダメになってネットに変わると信じる人もいるようだ。最近のケータイの買い替えがスマホ主体になったせいか、インターネットでラジオを聴くラジコの利用者が増えているように思う。ケータイは暇つぶしの道具でもあるので、野球の情報をWebで見るよりも受身でラジオを聴く方がよっぽど楽だし、ラジオのコンテンツはそれなりに出来上がっていて面白い。スマートTVはまだ離陸できずであるが、ネット動画は順調に伸びている。こういう現象を見ていると、マスメディア離れのように思えるかもしれないが、マスがネットに進出している例も増えていて、「ネットか、マスか」では割り切れない。
「ネットか、マスか」というのは、利用者としてみる場合と、情報発信者としてみる場合で違いがあるし、広告媒体としてみるのと、マーケティングツールとしてみるのでも違い、それぞれに考察なり結論があるはずである。facebookなどネットでもマスが到達したことのない利用者を抱えるところもある。しかしマスメディアがやっていたことをfacebookがすべてカバーするわけではないので、比較は意味がない。facebookの側ではメディア化や新たな広告モデルも試みてくるが、結局はfacebookの主旨に合致するものしか残さないだろう。
ネットメディアでもマスのオーディエンスに到達できるが、ミニ・マイクロ対象のメディアはネットしかない。また上記のようにマスメディアでもネットに進出する。これはマスメディアの中にコンテンツのプロバイダとしての能力があるからである。ではマスの人たちを対象にしたミニ・マイクロのメディアはありえるのだろうか? これはfacebookやソーシャルメディアがそうであって、マスの人たちを抱えながら双方向機能ではミニ・マイクロのメディアとして働く。だからマスマーケティングのフィードバック回路にソーシャルメディアが使えるのではないかということになる。
ネットメディア総体で見ると万能のようだが、その使い方はそれぞれの立場での考察があって、目的ごとにもっともイージーでリッチな方法を作り出そうとしている。ラジコがその例でもあり、従来のメディアビジネスに関してはコンテンツと表現メディアとデバイスは一旦分解して、移ろいゆくデジタルメディアやデバイスにフィットするように、数年単位のビジネスモデルを再考していくことが続くであろう。
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