投稿日: Apr 30, 2014 1:38:5 AM
広告モデルはオワリか?
モバイル広告が増えて、アメリカではネットの広告の売り上げがテレビ広告を抜いたともいわれている。日本よりもアメリカの方がダイレクトマーケティングの歴史から始まってビッグデータ処理までいろんな工夫が積み重ねられたことが、旧来のマス広告よりもネット広告の方を選択する理由になっているのかもしれない。アメリカのサービスにおいてはネット広告とはいっても、以前のバナーを貼り付けただけのものではなく、私に対してはハゲだの前立腺、尿漏れみたいな広告が出るので、なんらかのパーソナライズの処理がバックにあるようになっている。しかし日本では個人のWeb行動を追跡するような広告の出し方はそれほど多くない。ヤフオクとかはそういったことに力を入れているが、私の使っている範囲ではNTT系gooメールでもしつこく婚活が出てくるので、何の処理もしていないように思える。
実際のパーソナライズはメールとかSNSなどのパーソナルユースのサービスにからめてパーソナライズ広告が増えているのだろうが、広告ビジネスにビッグデータ処理云々は似合わず、基本的にはローテクであると思う。それは広告ビジネスがやっていることは常に単純に数の多い方の媒体を追いかけているだけだからである。つまりモバイル広告が増えたのはモバイル人口が増えたからで、SNS広告が増えたのはSNS利用者がふえただけが理由だからだ。
これをSNS側から考えると、fbでもLINEでも「凄い!」と言われるのは何億の利用者がいるというだけの理由で、行われているサービス内容が凄いという話にはなっていない。fbの利用者の割にはfbノートを使う人の数は非常に少なく、既存のblogになんら対抗できるものとはなっていない。むしろcakesのnoteの方が注目されているくらいだ。fbは個人情報云々ということもあってクローズドな方向に進んだがために、メディアとしての価値は失われていき、mixiなど各国のローカルSNSの置き換えにしかなっていないのかもしれない。メディアという点ではむしろtwitterの方が拡散力がある。
このように見てくると、現状のSNSのサービスの延長上に、しかも広告で収益をあげるかたちで、非常に革新的なものが出てくるとは考え難い。例えば話題になっているスマートテレビでもモバイル・ユビキタスなものでも、SNSも広告業者も非力すぎて、新しい分野の牽引役にはならないだろうと思う。残るは、EC、Google、デバイス、通信キャリアの巨人がどう動くかであるが、Appleが動画サービスに関しては随分情報が出なくなったように思える。iPadの応用としてもこの2年ほどは音沙汰がない。
これらの巨人たちも数の上で急上昇して、その行け行けドンドンな雰囲気の中で漠然と既存メディアの乗っ取りにも近い話が出ていたのだが、そういうメディアの激変のようなフレームの話はそろそろ再検証してみなければならなくなっている。