投稿日: Sep 10, 2013 12:55:44 AM
未来から逆算して考える
2020年の東京オリンピックの際には、東京のIT環境がどのようになっていて、人々がどのようなメディアをどのように使っているかを想像できるだろうか? おそらく道路や交通機関は今とそんなに変わってはいないだろう。それに比べて、生活者をめぐる情報環境は大きな変化が考えられるし、ビジネスのチャンスもリスクも増えていくだろう。今まで日本の新聞やテレビはITの影響をあまり受けずにこれたのだが、そういう変化の時代にもしマスコミなどがついていけないとすると、アメリカのアナログメディアの衰退のように、日本のメディア産業にとってもエポックとなる時代を迎えることになる。
7年先の変化の度合いを考えるには、7年前と今とでどれくらい異なっているかをみることがヒントになる。7年前というとまだiPhoneが登場していなかったガラケー全盛時代である。しかし今ではスマホの売上の方が圧倒的に多いし、iモードなどケータイのアプリや配信ビジネスは瀕死の状態になって、スマホに転換できずに沈没するかもしれないところも出てきている。また先行するAppleのiPhoneをAndroidが数では追い抜いて、スマホもファッション性で身につけるということはなく、すっかりコモディティ化してしまった。
また7年前にはfacebookは駆け出して、SNSではMySpaceよりもずっと小さく、4年前になってMySpaceに追いついた。そしてこの何年かで10億アカウントに達したのである。その他この7年を振り返っても一般の人が想像しなかったほどの変化があったわけだし、7年間というのは大きな変化を起こすのに十分な期間といえるだろう。しかし数年という単位で大きなことをしようとすると、やはり最初に大きな志がなければ持続しない。誰がそのような大それたことを考えているのだろうか?
経営規模でいえば楽天やソフトバンクは大きな会社になったが、独自技術とか独自サービスを開発するということはなく、そういった努力をしている会社を買収することで事業を広げているから、ホールディングカンパニーのようなものといえる。こういった会社はオリンピックの時流に乗ってビジネスをそれなりに拡大をするであろうが、先頭に立って変革を起こそうというものではないだろう。
モバイル、SNSの次の、大きなチャレンジ目標がいろいろ見え出す時期になっていると思う。