投稿日: Dec 08, 2015 1:4:38 AM
ネットで新たなサービスを開発する際に、Just simple というのは日本では通用しにくいらしい。海外とくにアメリカでは2クリックの作業が1クリックになっただけでも自慢しているようなのを見かけるし、やっていることは昔からあることでも、いかにeasyかということで新ビジネスモデルになったりする話を聞く。
しかし日本ではネットを利用した作業もだんだん面倒くさくなるものがある。ゆうちょ銀行の振り込みを使う機会が増えたのだが、2015年からさらにややこしくなり、振り込みの実行にワンタイムパスワードをメールで受け取って、それを入れなければならない。それ以前でもログインパスワードが2重になっているとか、無駄なセキュリティと思われるものがあったが、それが増殖している。
paypalは長年使っていて世界的に広がっているが、メアドとパスワードだけで特に問題は無かった。しかしゆうちょダイレクトは、4つの秘密の言葉を管理しなければならない。実際は合言葉は複数あるので、10くらいは管理しなければならない。小学校は、とか、好きな食べ物は、などの質問が出てくるのだが、「市立」とかつけていたか、「…小」だったのか「…小学校」だったのか、食べ物の漢字表現だったのか仮名だったのか、などが思い出せずに、合言葉のリセットをしなければ先に進まないようになってしまった。
システム構築の際に要件を決める際も、枝葉の議論が多いのが日本の特徴で、なかなかパッケージ型のサービスが普及しにくい。また枝葉に拘ったために使いにくくなったシステムというのも良く見かける。トレーニングコストもかかるわけだし、操作間違いも増えてしまう。そうこうしているうちに使われなくなってしまう部分もでてくる。データベースで必須入力以外のところはほとんど役立たないデータになってしまったりする。システム的には必須項目以外でも解析対象にしていたのに、その解析プログラムは無駄だったことになる。
こうした矛盾はほとんどが現実的メリットとか論理的な思考よりも、心配事や期待感など情緒及び気分の問題に左右されることからきている。これは日本の組織における意思決定者がそういう傾向の人であるということで、ITシステムだけではなくビジネス全般に影を落としている問題であろう。
会議の際には会議の目的のPDCAの循環内にある話と、PDCAとは外れる話を峻別して置かなければならないと心がけているが、そういう意識が無い参加者も居るわけで、それが管理者であったりすると会議の質は下がってしまう。
ゆうちょダイレクトの個人特定方法の紆余曲折を見ていると、会議でくだらない議論をしている様子が目に浮かぶようである。
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