投稿日: Dec 14, 2015 12:51:34 AM
2015年もあとわずかになっていろんなことが思い出されるが、前半は異物混入話題が多かったように思う。2月には『Take It Easy』という記事で半分茶化したようなことを書いたが、実際はマスコミとりわけネットメディアの過剰反応とかネタのような扱いであって、全部茶化してもいいかもしれない。
とはいってもコンプライアンスに関るようなこともあるので、企業としては何らかの対応はしなければならないが、それもごく当たり前のことを当たり前のようにしていればよいので、ことさら異物混入だけを採りあげて問題視するものでもないだろう。
ぺヤング焼きそばは固定ファンがたくさん居たらしく、発売中止になると買い溜めをする人が現れるとか、発売再開になると品切れ店が続出するようなこともあった。他方でマクドナルドは異物混入で売り上げが下り坂まっしぐらというような報道もされた。この両報道とも単に野次馬とか井戸端会議的なもので、これらから何か意味を見つけることはできない。異物混入に対するぺヤングの対応が正しくて、マクドナルドの対応が不十分であったと、結論付ける根拠はない。
しかしそう思わせるようにセンチメント操作はできる。多くのネットメディア情報は「そう思わせる」ように誘導合戦をしているだけなのではないかとさえ思う。
異物混入を茶化していたのは貝の加工食品で、昔からほたてなどの貝ひもには、真珠のような珠が入っていることがあります、という断り書きがあった。生食でも缶詰でも貝の場合はあることで、フォーチュンクッキーと似ている面もある。こんな当たり前のことでもモンスターなクレーマーが現れないとも限らない。それを顕在化させるのがネットの特質である。
そんな風潮をからかっているのが虚構新聞などなのだろう。これは笑って済ませる人が殆どだが、中には真に受ける人も居る。
海外でも虚構新聞のようなジョークサイトがいっぱいあるのだが、「何々…速」「何々…ニュース」など日本のバイラルメディアが真に受けて翻訳し、まるでトクダネであるかのように拡散することも今年は多く見受けられた。特に中国はこんなにひどいというようなテーマに多かったように思う。これらは日本人のそういう先入観があるから真に受けたり拡散したのだろう。リテラシーの低い人は自分の思いに沿った情報を選択的に受け入れているので、仕方がない面があるが、こういうセンチメント操作された情報ばかりを見ている人は永遠にリテラシーが向上しないだろう、という点でネット禍を考慮してみる必要がありそうだ。
Top → Articles デジタルメディアビジネスの記事 過去記事→Archive