投稿日: Jan 10, 2014 12:19:10 AM
B2Bに比重を移す?
スマホのアプリは最小限のものしか使っていなくて、遊びも、お試しもなるべく入れないようにしている。それは使わないアイコンがいっぱいになるとうっとおしくなるからでもあるが、いろいろ考えると単調ですぐ飽きるものが多いからでもある。パソコンに比べてスマホタブレットはデータ管理がフラットな構造に近く、あまり複雑な構成をとれない。EPUBのように多くのファイルをzipにまとめてしまうのは整理方法としては悪くないが、あちこちに同じものが重複して置かれることになる。言い方を変えるとスマホなどのアプリは自己完結型で、そういったものの数が増えていっても新たな次元がその先に現れてくることはなさそうに見える。
スマホ・タブレットは操作が直感的で簡単であるために、従来のWebのようなインタフェースのままでは使いづらくなってしまって、もっとシンプルにしなければならない。そういう操作だと単調になって、利用者は自分が活用できるようになってきたと学習効果を感じることは少なくなる。つまり敷居は低いが奥行きはないものである。ゲームというのはインタフェースは簡単でもアイテムをゲットするとか何らかの奥行きを与えて利用者がのめり込むようにしているが、情報系のアプリはまだそこまでは行っていない。
アプリで「ふーん、そんなことができるんだ!」という理解をするだけなら、他人のスマホを見せてもらうだけで済んでしまう。自分でインストールしたとしても果たして一体今後何回起動するかわからないものが多い。しかも活用に深みが出ない、みんなバラバラでつながっていかない、などを思うと、自分でスマホアプリを考えてみようとは思わない。むしろPCの方が仕様を考えるだけでもあれこれ悩むことが多くて、それが楽しみにもなるし、出来上がったものの「厚み」にもなっていたと思える。
それで思いついたのだが、スマホ・タブレットのアプリというのはPCが誕生する前のコンピューティングに似ているということだ。当時はコンピュータを誰でも使えるものにすることが大命題だったので、プログラムの起動に煩わされないで、単に「ボタンを押すだけ」で必要なことが始まる「ターンキー」と呼ばれる専用装置としてのコンピューターがおびただしく作られるようになって、今でも世の中の至る所にあるものである。
今ではそのコンピュータ部分はクラウドにあって、入出力部分がスマホ・タブレットのアプリ化している。だからスマホ・タブレットの普及で最もアプリが発達しそうなのは、B2Bの業務システムが考えられる。実はファミレスとか物流業者がモバイル端末の利用ではパイオニアであったことを考えると、B2B向けアプリがスマホ・タブレットで大きく変わることは想像に難くないのである。