投稿日: Aug 01, 2014 1:14:21 AM
日本はまだ女性の登用が少ない。組織が女性を活用することに慣れていない。これはおそらく武家が支配していた封建制度の名残りで、男性を正面にもってくるようになっているのだろう。実際には中小零細でオカミさんが中心になって経営している例は多くあるし、家庭の中でも女性の発言権が大きい場合はあるのだが、組織を組むうえではなぜか女性は登用されにくい。もし日本が成果主義を強く謳うのであれば、このネジレは直さなければならない。
仕事をする上では男性も女性も区別はないといわれる。確かに大方の仕事はそうであろうが、世界的にみても何らかの共通した傾向はあるような気もする。大工とかトビとかガテン系に男性が多いのはわかるが、シェフはどうして男性が多いのだろう?
一方芸術系は男女の差がなさそうに思う。しかし作品に関しては男女の差はあらわれているように見える。プログラミングは女性でも優れた人はいた。ただ日本の高等教育で文科系と理科系にはやばやとわけてしまうことが、女性をこの種の仕事から遠ざけているようにも見える。私の母親はニット(編み物)の先生をしていたが、これはプログラミングと同じだなと思ったことがある。
事務系に至ってはむしろ女性のほうがキッチリ仕事をしているところの方が多いのではないか。また営業系も女性の進出が目覚ましい。しかし管理職以上になると急に少なくなってしまう。自分の経験からすると、男女で仕事の能力の差ではなく、モチベーションの差があるように思えた。女性は自分より劣るように思える上司の元ではモチベーションが上がらないのである。逆に上司を尊敬するような関係では非常にモチベーションが上がる。
よく社長と秘書が特別な関係になってしまうことがあるが、これは非常に真面目な社長でも起こり得ることで、その理由の一つが、仕事面の能力の尊敬と人間としての尊敬がごちゃごちゃになってしまうからである。
そうであるとすると、女性のモチベーションを上げて管理職以上に登用しようとすると、尊敬に値する幹部が組織の中に居なければならないことになり、そこのところがセクハラ上司がはびこる日本ではまだ弱いということはあり得る。つまり年功序列は一般社員に関しては薄まって評価制度が運用されるようにはなっても、組織の幹部層にはそれはまだ適用されていないケースがあるからだ。
逆に言えば有能な女性から突き上げをくらってこそ、幹部の男性はシャキッとなるのかもしれない。女性の登用を増やすことは、上から下まで成果主義にしていかなければならないという面をもっている。
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