投稿日: Mar 14, 2016 12:1:11 AM
Twistという1960年代初頭に流行った音楽・ダンスの元祖は Chubby Checker という人ということになっていたが、後にアメリカの45回転盤を集めるようになって、HankBallard&TheMidnightersが先に出していることを知った。しかもその頃はBluesを聞き出したころだったので、Midnightersのギターが時々ブルースギターであるのに非常に興味を持った。そこでこのグループのやっているブルースは結構集めた。“Look at Little Sister”という曲などは、爆発的にクレージーなブルースギターのブレイクが入っている。
アメリカの黒人音楽というとNewYorkのApollo劇場というのがメッカだった。一方、ロサンジェルスには54ボールルームというのがメッカで、そこにちなんだ54というレコードレーベルが少しのレコードをだしていたのだが、これが大変質が高い。その半分以上はブルースで、中でもBilly Davis の“Reconsider Baby”という曲がやはり爆発的にクレージーなブルースギターのブレイクが入っていた。実は彼こそMidnightersのギターであったのだ。
その後のBilly Davis のレコーディングは途絶える。私はBilly Davis名義の45盤は買い続けていたが、それはFunkであった。YouTubeの時代になってびっくりしたのは、彼のFunkなインスト“Stanky”が大変な人気になっていて、オリジナルは何万円かの値がつきヨーロッパでは海賊盤がでるほどになっていた。実はこれらは声が同じ様には聞えないので、本当にMidnightersのギタリストかどうか確信は持てなかったのだが、YouTubeにはBilly Davis のインタビューもアップされていて、皆同じ人であることがわかった。
しかも彼は70歳代でいまだにクラブなどに出ていて、その映像もYouTubeにあり、それを見るとモロBluesができる人であることがわかる。今では殆どBluesとFunkをやっていて、時々昔のTwistもやっている。TwistとBluesの関係は、記事『忘れられたTWIST』に書いたが、この少年時代にTwistブームの洗礼を受けた年齢層が後のアメリカ・イギリスのBlues系ハードロックのミュージシャンに多い。今のBilly Davis の映像を見ても、そういうタトゥーを入れた白人ロック系オッサンがバックを務めて、なかなか仲睦まじくやっている。
Billy Davis のインタビューではJimi Hendrix が訪ねてきた時の話があった。上の写真はちょうどJimiの円熟期に当たる曲で、特に右の方がJimiの興味を惹いたのではないかと思った。私もこのブルースベースのファンクの曲が好きである。TwistのようなPopなものも、Funkのような濃いものも、単なるレパートリーの違いであって、それらの間に垣根を作るのは聴く方の勝手なふるまいに思える。
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