投稿日: Mar 18, 2013 1:36:31 AM
すぐできることがあると思う方へ
パラダイム転換は日本の最も苦手なことかもしれない。多くの人は既存の枠組みの中での改善に精をだすことはできても、枠組みを変えることは考え付かないだけでなく、変えることに反対をする。これは日本に限らないことだと思うが、日本は枠組みを変えようとする人や組織を潰そうとする力が強いのか、それにめげずに前へ進むキャラクタの人が少ないのか、Steve Jobs や Bill Gates のような人が出にくくなっている。しかしITの敷居が低くなって、どんな分野でも個人でもいろんな工夫ができるようになっているので、天才的な人が引っ張っていかなくても、新しいパラダイムに対応していくことは可能になってきた。要するに風穴が開いたところがあるといえる。
例えば子供の学習に関しては、学年誌が衰退して通信教育が伸びたわけだが、これがITとネットになったなら、大企業でなくても通信教育は可能になるだろうし、Skypeから何からタダ同然のものを組み合わせてうまく仕組みを作ると家庭教師レベルの個人指導もできるだろう。その場合に、従来紙の媒体を使って行っていた教育を焼きなおすのでは面白くない。ネットでの教育は、紙では不可能であったことを可能にするような指向をしないと、教育方法として優れたものにはなっていかないだろう。
子供の算数のドリルで 1+3=□ のような問題を出しているが、これをよく考えてみるとこの段階では、九九のように数字の暗記をさせるのが目的ではなく、足し算や引き算の概念を覚えさせようということだから、国によっては △+□=4 という問題を出して△や□を答えさせるところがあり、後者の方が足し算も引き算も同時に考えるので優れているといえる。ただ先生が採点する手間からすると前者が画一的なので楽であるということになる。ところがこれをタブレットに表示して答えさせるような簡単なeLearningにすると、後者の複数の正解が存在する問題も容易にだせるようになる。
同様に掛け算と割り算も同時に考えさせた方が総合的な応用力が身につけられると思う。従来は紙や黒板と言うという制約のために仕方なく教え方も限定されてしまっていた点があって、そこで教えきれないところを塾や家庭教師などが補い、またそういういろいろな教え方を取り入れた通信教育も広がった。通信教育はPODによるパーソナライズまでは従来の教え方の枠組みは変わらなかったが、eLearningになると教えることのパラダイム転換が可能になるので、むしろマス教育では出来なかった家庭教師的なフェースtoフェースで苦労している課題をITで取り組むのが、日本の教育を変えていくことになるのではないだろうか。