投稿日: Jul 31, 2010 12:13:14 AM
広告がビジネスに役立ちにくいと思う方へ
ケータイ電話の機種を1~2年毎に変更している人は、もう10世代近く持ち替えたことになる。事実自分のHPで写真を載せている人が少なからず居る。若年者のケータイ中毒とか、ケータイで犯罪に巻き込まれるとか、フィルタリングなどの利用制限、などなどが話題になると同時に、いつでもつながるケータイのせいで長電話がなくなるとか、ゲーム、着メロ・着うたフル、ケータイコミック、ケータイ小説などのコンテンツビジネスも立ち上がった。これらが10数年のうちに起こったので、それと人間の成長過程の同期が複雑なコミュニケーション特性を作り出していると思う。つまりケータイ利用からみて若い人のリテラシーを解き明かそうとするサーベイは、どこか破綻しているというか、ものすごく限られた条件の上での話であるように思う。
例えば、大学生は子供の頃からケータイがあって、ケータイメール漬けをくぐりながら、SNSとか、twitterなども身につけていった。高校生は最初からケータイとともにSNSがあった、中学生はケータイは制約されていて、メールやSNSよりもtwitterが自由に使える。これらをひとくくりの若者と捉えて集計することは、ものすごくありきたりの面白みのない結果にしかならない。かといって、中高大と分けて分析しても、その人たちは3年すると上の分類に上がっていくので、分析結果の使い道は非常に限られる。
ケータイコンテンツや、SNSまわりのアプリ・広告に関しても同じようなことがいえる。現在進行形で若者のコミュニケーションにいろいろな変容があるので、2~3年前の経験は無駄になりがちだ。単なる経験を繰り返していても何も積みあがらない場合もあるだろう。特に広告関係のビジネスは、大いに悩んでいる人の方が信頼がおける気がして、逆にアイディアやソリューションを振りかざしている人がピエロに見えるくらいだ。その人たちは誰かの経験を受け売りしているのだろうが、いろんな成功例をかき集めて提案するコンサルティングとか代理店商売ができる時代ではなくなった。広告は顧客の経営に参加するような意思でないと成り立たないようになるだろう。
さらに最近は日の出の勢いのFacebookのように国際化している。パーティで友人を紹介しあうとか、そこに出会いを求める文化があるところと、日本のSNSのように顔見知りがネットでダベる文化では根本的な差がある。この1年でアジアで何千万もFacebookにつながったが、日本人はトータルで100万人程度である。これは日本人が如何に外を向いていないかを暗示している。また最近はクーポンが話題でGrouponのようなモデルが次々t出ているが、これも元々はアメリカで毎日のお買い物に新聞広告のクーポンが非常によく利用されていたことの上に、更なるお得として始まったものなので、朝に新聞からクーポンを切り抜きながら買い物の準備をするという日本には無い慣習を土台としている。日本でクーポンのビジネスをするには、途中に埋め合わせるべきところがあることになる。
まだまだ流動的なネット上の情報接触に関係したビジネスは、ステレオタイプには行えない。まずビジネスを成立させるための立脚点を固めることが重要だろう。