投稿日: Apr 22, 2010 3:21:9 AM
新しいメディアビジネスを探している方へ
このサイトの巻頭(?)に書いたように、20世紀のマスメディアを中心にした「メディア」の概念を引きずっていくわけには行かないのが21世紀である。21世紀になって社会に躍り出たさまざまな巨大デジタルメディアをなんと考えればいいのだろう。ニュースではtwitterとかは、何か新しいものが登場したような扱い方だが、SNSであろうとBlogであろうと掲示板であろうとWebであろうと、技術的には同じであり、紙をベースにいろんな書籍や雑誌が作られたのと同様に一括りに考えられる。利用者から見ても画面をクリックしてみるという点では同じだ。たとえ独自デバイスの電子書籍というくくり方をしたとしても、同類といえる。ひとつのコンテンツから以上のそれぞれにまたがった情報サービスは容易に作り出せるのである。
だからtwitterのようなものを「発明」としてひけらかすことはできないし、EPUBのようなフォーマットを金科玉条に思う必要もない。では何か中心になる様式、pivotはありえるのだろうか? 検索エンジンもさまざまなドキュメントフォーマットを変換・解析するようになったように、情報処理コストが安くなるとそういった中心はいらなくなるから、いろいろなものが分散的になっていく。用語を定義して辞典を仕上げるよりは、適当なタグづけされたものをかき集めて、それらしく処理する方向へと進んでいるのではないか。今後も「メディア」というものが考えられ得るのかどうかについては、いろいろな方の意見を聞き集めていきたいと思う。
直感的にいうと、ヤフオクにはメディアぽさが感じられないが、eBayはオークションの処理システムというよりは立派なメディアに見える。Amazonは情報誌のようであるがそれ以上には思えない。eBayの何が違うのかといえば、アイテムの大多数は本人か家族か第三者の生活の不用品であり、それを買ってもらうために説明するツールがeBayでもあるので、利用者であり生活者が生き方の一部を見せていることにもなる。通販生活は編集者が介在して利用者に商品紹介をさせているのに対して、eBayはナマの要素をうまく引き出すCtoCの仕掛けを作ったように考えられる。これは用途であって技術的にはwebでしかない。だからeBayをメディアという括りで語るのでないとすると、なんと言えばいいのか。
20世紀のメディアでは成し遂げられなかったことがデジタルメディアで次々に興っていって、それらの中に旧来のメディアの要素は取り込まれていく、というのが今考えられる筋書きである。少なくとも過去のメディアの概念で21世紀のデジタルビジネスに参入できるようなところはないだろう。