投稿日: Feb 14, 2013 1:34:36 AM
販促の仕事が伸びないと悩む方へ
7-11、ユニクロやTUTAYAからAmazonなど流通の世界はダイナミックに変わっていく。以前は大型家電系列店、スーパー、さらにさかのぼると百貨店など、時代の花形の業態があった。これら多くはアメリカの商業を手本に日本でローカライズした業態であった。DIYなどでは地域に根ざして流行には左右されないような業態も生まれたが、都市の生活においては結構移り変わりが激しい世界のようで、駅からみた駅前のビルや看板も何年かの周期で付け替えらていく。この変化に沿って広告宣伝・販促の仕事も浮沈していた。
しかし誰もが利用している100円ショップにおいては、広告宣伝・販促というのは極端に少ない。以前は中国で雑貨を買い付けてきていろんな100円ショップが出来ていたが、今は会社が絞られてしまって次第に商品企画に比重を置くようになったように思う。それによって安かろう悪かろうのイメージも消えつつある。自民党に言わせるとデフレの元凶のような存在かもしれない。しかしそれでちゃんと利益がでて経営が成り立つとなると、文句のつけようがないはずで、次第にそういう方向に来ている。ローソンの100円ショップなどは普通のスーパーやコンビニが扱いたがらなかった食材を1食分だけ売るようなこともするようになって、存在価値を高めている。
また100円ショップは特売のような釣りの仕掛けがないという点でもフェアな商売である。販促にかける金があるなら、それを商品価値に反映させるということだろう。実際問題として最小限の人員で店舗をまわしている場合に、メーカーや代理店が机上で考え出した販促活動に付き合っている余裕はなく、コンビニなどでも販促は嫌がられていると思う。そのために小売に納める流通業者がPOPなどを用意することが多いが、それは結局流通コストの上昇になってしまって、やりきれない。
仕入れの簡素化はスーパーやコンビニで行われたことだし、POSを元に仕入れや陳列をどんどん変えるのはコンビニの成功例があるのに加えて、100円ショップは見かけだけの付加価値は扱わないとか、販促コストをかけないという意味で、ある意味では商品と売価の関係がはっきりした丸裸の経営をしているともいえる。これは実はAmazonのようなモデルでもいえることで、PDCAをストレートに回せるようにして、途中に判断停止となりがちな曖昧な期待やリベートなどの「含み」を排除している。つまりきっちりPDCAさえ回せば成り立つやり方であるともいえる。
全ての小売がこのように期待や含みを持たないものに変わるというのではないが、かつての日本にはあまりなかったメカニックといえるほどの経営モデルが成り立つようになったのは面白い。