投稿日: Dec 07, 2015 12:29:35 AM
幼稚園くらいの児童にスマホやタブレットを与えて、ゲームやアニメを見せている親が多くなった。これは親自身がタブレットの新形が出ると買いたくなるので、お古を子供に回しているのかもしれないが、利用方法としては必ずしも賢くは無いなと思う。タブレットなどを対象にした知育玩具などもいろいろ開発されているが、日本ではどの程度受け入れられているのだろうか?私は知育玩具というのはそれほど普及するものではないと思う。これらはそのまま子供に与えても子供は喜ばず、親がそばについていて導入をしてやらなければならないからである。親が子供に関る手間を省きたいと思うと、冒頭のゲームやアニメになっていしまうように思えるのだ。
絵本というのもタブレットの登場とともに有望視された市場であるが、日本では使ってみたいという親は3分の1くらいしか居なかった。その理由はおそらくコンテンツの種類からくるであろう。特に母親が自分の記憶に残っている絵本を子供によませようとするので、昔の絵本を探し回り、新作や翻訳ものは殆ど眼中にないことと、紙の絵本があれば、しいてタブレットにするメリットが感じられないからであろう。
つまり絵本は1歳くらいから読み聞かせとともに始まるので、子供が自分で触るものではないし、親としては子供の反応を見ながら読んでやるとか、読みながら会話をするなどの親子コミュニケーションに意味があるので、見せる媒体が紙か画面であるかは全くどうでもいい話である。もしデジタルに意味を持たせるなら、画面の視覚効果よりは親が子どもとコミュニケーションを豊かにできるようにするための何かである。
このような段階を経て、こどもの記憶に残ったコンテンツは3~4歳になれば自分で本を引っ張り出してながめるように、タブレット上でも利用しだすかもしれない。3~4歳からタブレットでスタートするのは遅すぎるのではないだろうか。子供用タブレットアプリの開発目的が親の省力化にあるとすると大きな勘違いだ。絵本の場合は強いて言えばデジタルなら傷がつかないとか嵩張らないという程度の物理的なメリットだけで、それは親の側の管理の手間を省いてはいるが大した問題ではない。むしろ絵本でも知育アプリでも親子コミュニケーションを密にするキッカケであると考えるべきだろう。
知育アプリも子供の学習プロセスを親が学習する機会であって、子供の達成度に一喜一憂するのは勘違いで、教えられない自分を嘆くべきである。そこをサポートするアプリがあると素晴らしいのだが…
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