投稿日: Dec 02, 2011 12:39:3 AM
新しい世界に船出したい方へ
会社の仕事でも個人の生活でも、わかっちゃいるけどヤメられないことだらけなので、いくら会議で素晴らしいアイディアが出されても、実現不可能な要因を一生懸命考えて否定に努力する日本人は多い。通勤ラッシュでも各社が始業時間をずらせれば緩和されるが、横並びを第一に考えると輸送量増強という社会的な負担増に向かう。その結果日本は高負担社会になってきた。これは企業にも通じることで、わざわざ高負担にしてきたと思えるところが多くある。コンプライアンスという名の規制強化もそれに輪をかけている。これはネットと情報処理の高度化で透明性を高め、生活も仕事もイージーにしようという潮流とは真逆のベクトルである。
2011年は大震災があったために、本当に必要なものは何か、どうでも良いことは何か、という峻別も日常的に考えざるをえなかった。それまでTechCrunchを賑わせていたスタートアップのアイディアの多くも急に色褪せて見えるようになった。2011年は流行語もパッとしないものばかりになったが、もう経済縮小の日本では過去の再現はないので、この先には前向きな考え方に切り替えて行かないと生き残れない時代が来るだろう。そこで問題なのが、本当に発想の転換ができるのかどうかである。
過去に多くの資産を築いた日本だから出来にくいことが、過去を捨てる、過去の成功を基準としない、過去の自分と決別するということだろう。タバコを止めるのと同じように、過去との決別とはその時点から違う生活パターンになることで、「そのうち」という猶予を設定してはいけない。つまり決心することが必要だ。そこから新しい航海が始まって、今まで自分が知らなかった世界に自分を連れて行くように仕向けなければならない。そのためにこの航海の目的地とか、海図・気象とか、方法・道具に関する知識を新たに身に付けられるように、自分の管理をする必要がある。要するに学ぶべきことは多い。
これは一般化すると新事業を始めるにあたって必要なことだが、誰かのアイディアの借り物ではなく、今日の状況に即して白紙で自分で考える経験が重要で、それは最初は粗いものでも、走りながら訂正し精度を上げていけばよい。自分の課題の洗い出し・整理、環境と近未来の認識、業務のロジック構築などについて、メディアに関するビジネスではどうすればよいだろうかを、以前に『自分の未来図を描いてみる』『技術決定論でも、社会決定論でもなく』『自分の情報リテラシーを高める』で書いたことがあるが、いろんな人の話を聞いたりディスカッションをする機会を作って、口先だけの発想の転換ではなく、それに即した事業計画や推進が可能にしていきたい。