投稿日: Aug 11, 2011 11:55:10 PM
まだ紙のカタログにかなわないと思う方へ
Amazonは最強の通販にみえる。見栄えにおいてはAmazonのWebページは魅力的には見えないのに、Amazonを正面から対決するところがないのは、独自なメソッドを高度に駆使しているように見えるからだろう。Amazonの統計処理に歯が立たないという点ではGoogleに共通するところがある。こういうアルゴリズム開発をベースにしたビジネスは、優秀な人の確保にかかっているので、ごく一部の会社しかできないだろう。通販のビジネスは他の道もあって、業績では横ばいであるがeBayのリコメンドの水準がすごく向上したことを記事『ソーシャルメディアのマーケティングに求められるもの』では書いた。さらにeBayのこの10年間の歩みの中には、売り手が商品をアピールする仕掛けを多く提供してきたことも、オークションを飽きさせないものにする上で有意義だったと思う。
ネットで商品を売る場合に、欲しいものを検索してリストから選んでもらうか、カタログ・チラシのように陳列して選んでもらう方法がとられる。その先に個別商品のページを開いて、魅力を訴えることになる。一般に電子カタログというと、印刷のカタログよろしく個別商品の表示をテンプレート化したものを思い浮かべるだろう。しかしそれは単なるWebページであって、カタログの機能は個別商品に至るまでの道筋を提供するところにある。だから検索かブラウズの方法論そのものを問題にしなければならない。だがこれはAmazonを見てもわかるようにまだそれほど発達しているとは言いがたい。むしろeBayはそこに一手打ってきたと思える。
検索は目的買いの場合にはよいが、漠然と商品を探すにはカタログ・チラシ的な方がよいとされる。その先がまたいろいろな方法があり、また実際には検索とカタログ・チラシのミックスのような画面になって、利用者が迷子になったり、やる気が失せたりさせてしまいがちだ。スマホやタブレットでは電子カタログはまた盛んになると思うので、ざっとどのような仕組みが組み込まれているかの整理をしてみた。
検索 : カテゴライズ (分野の重複問題 キーワード・タグ・辞書の扱い 絞込みの履歴保存)
ソート (値段 新旧 人気・評価 売主 地域・送料)
お買い得・スペシャルオファー・タイムセール・クーポン適用
似た商品 (何を中心にして?)
カタログ : ブラウズ (リスト・リード文 サムネイル表示 オートスライドショー 動画 ソートの切り替え)
インタラクティブ (スライドショー パノラマ 3D シミュレーション)
push: 製品から (関連製品 オプション)
統計から (おすすめ cross・似たもの up)
履歴から (嗜好の類型化 不要なおすすめの抑制)
pull: 開いたページの履歴
ブックマーク
購買履歴
などが組み合わされて表示しつつお客さんを誘導するようになりつつある。これらはマッシュアップによって近年複雑になりつつあり、その点では日本のECサイトの方が旧態依然な傾向にある。部品の組み合わせによるページ構成は、下手をすると大変イラつくものになりがちで、スマートなもの同士の組み合わせにしなければならないのが、なかなかそうできないのが日本の辛いとこかもしれない。
関連セミナー Androidアプリ制作の現状を学び、今後の可能性を探る 2011年8月24日(水)