投稿日: May 28, 2010 1:3:47 PM
日本を担い世界で活躍するベンチャーが出てほしいと願う方へ
ネット上にはタダで使わせてもらえる便利なものがいろいろあって以前から重宝しているのだが、広告につきあわなければならない。最初に登録時に何らかのプロフィールを入れるせいか、禿げが直るとか、加齢臭に効くとか、前立腺がなおる、ひどいものでは尿漏れが気になるあなたに、みたいなものが次々出ると、全くうっとおしくなる。私が高齢者に近づいているのは事実としても、人に不愉快な思いをさせる短絡的な宣伝でモノが売れていくというわけではないだろう。CRMマーケティングをしているつもりなのだろうが、こういった無神経さはどこからでてきたのだろうか。きっとアメリカの何かの受け売りだろう。ITの「仕掛け」があれば売り上げ増をもたらすという夢は今日では破れつつあるように思う。
代わって近年よく目にするのが30-40歳の婚活やブライダルの広告で、これはマーケットデータからひねり出したビジネスターゲットであろう。しかしこれらも長くやっているとステレオタイプに陥っていく。そこで似たことをする別の会社にも活躍のチャンスがくる。そこもビジネスを続けているとまた同じことになる。要するにビジネスを探す視線のレベルが変わっていかないのだ。長く続けているとマーケットの細部まで理解できて、より掘り下げたビジネスモデルができるとか、その経験を契機に別分野を開拓できるなどの経営の発展がみられないベンチャーが多い。
つまり新鮮な目で時代に切り込むベンチャースピリットと、経営の革新や発展という両面が必要で、伸びそうなベンチャーには金以外に人的なバックアップもつけないと、日本の経済全体としてはプラスマイナス差し引きゼロのような状態から抜け出せない。ベンチャー経営者にいろいろなノウハウや考え方を伝授する機会とか塾のようなものは日本には薄く、ベンチャーが経営的に孤立してしまいがちである。日本は子供たちに多額の教育費をかけたのに、大人になってくじけたのでは日本自体が持たなくなるのではないか。
日本でベンチャーへの経営ノウハウの伝授が行いにくいのはMBAのような講座がまだそれほど整備されていないことと、あったとしても経営環境の変化が激しいと、新時代に対応できる講師陣が見つけにくくなるからだろう。デジハリなどは現役の経営者が講師になって旬の仕事振りを披露しているが、環境変化の理解にはある程度アカデミックな勉強や、特にITメディア系は敵を知るという意味でアメリカの事業の分析のようなものも重要になる。kixシリーズは単なるトレンドのセミナーを越えて、アメリカに負けないITメディアのプレーヤーを日本に育てようという主旨で始まった。今賛同者を募っていて、実際に日本のメディアビジネスの現役の方が10年後の自分のビジネスのビジョンを描き戦略を建てられるようなプログラムを作ろうとしている。