投稿日: Nov 20, 2013 12:44:56 AM
ブリティッシュロックも文化になった
ポールマッカートニーはお達者なようでなによりです。ローリングストーンズもまた来るのかな?BeatlesやRolling Stonesが登場した1960年代始めはポピュラー音楽の大きな転換期で、特に1964年はマジックイヤーであると思っている。当時少年だった私は月刊誌ミュージックライフやティーンビートなどを目を皿のようにして見入っていた。特に後者は先般亡くなられた桜井ユタカ氏がR&B記事を載せていたので貴重な雑誌であった。
センセーショナルだったのはブリティッシュロックが世界のヒットチャートを席巻しつつあることであった。1965年には絶頂期のBeatlesが来日したんだっけ?白黒TVに写るBeatlesの映像を写真に撮って焼き増しし、学校の教室で配った記憶がある。しかし私の第一の興味はBeatlesでは無く、やはりアメリカのR&B的な音楽だった。
大人になって振り返ると、イギリスのロックが世界に躍進すると共に、イギリス人の音楽嗜好がアメリカ音楽の再評価をもたらすこととなって、両方共によかったということだった。1960年代のアメリカはまだ人種対立があらゆる大衆文化の中に壁を作っていた時代で、旅行者にはいろいろひっかかりのある時代だった。特に日本人はcolored only を利用するのか whites only を使用してもいいのか、迷うことが多かったようだ。
だからどちらとも書いていないところを利用するのだろうが、1980年代になって私がアメリカに行くようになった時点でも、ここは入るのがまずそうだ、というところは随所にあった。
しかし colored only や whites only を掲げているクラブ・tavernこそが、アメリカ音楽のルーツにつながる店であって、イギリス人や我々がレコードやラジオで聞いていた黒人音楽は灰汁をとって口当たりをよくしたような音楽であったことが後にはわかった。つまり冒頭のブリティッシュロックというのがアメリカの黒人音楽と似ていても異なる点は、イギリス人には灰汁に相当するものが無い点であり、だからこそ世界に広がったともいえる。
私の関心は、記事『もうひとつのアメリカ音楽』『メディアで伝わらないライブのgroove感 』のようなところに行ってしまったのだが、そこには摩訶不思議な世界があって、遡れば遡るほどcolored only と whites only の区別はわけがわからなくなる。逆に言うとメディアの発達が文化の壁を大きくしてしまったとも言えるなと考え始めた昨今である。
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