投稿日: Aug 01, 2011 11:22:50 PM
変わるところ、変わらないところを考える方へ
シャープの電子書籍端末GALAPAGOSは独自のアプリがあってブラウザも独自であったのが、Android 2.3へのアップデートが予定されていて、YouTubeブラウザやメディアプレーヤーといった標準アプリやAndroidマーケットにも対応するようになるという発表があった。もともとAndroidなのにわざわざオープンではない製品にしていたのは、その独自性がエンドユーザに受けると考えていたからこそガラパゴスなどという開き直った名前で製品を出したのだろう。しかしAndroidが売れるとなったなら、手のひらを返したようになるというのは、シャープの独自性はユーザニーズに合いませんでしたと認めたに等しい。NECが98からWindowsに切り替えたときのことを思い出す。
日本国内の携帯販売ランキング(2011年7月18日~2011年7月24日)10位まではスマホ一色になっている。ドコモXperia新製品をだしたので1位になり、GALAXYが2位に下がった。3位がiPhone4(16Gバイト)で、ドコモが強さを発揮している。iPhoneは32Gバイトモデルが伸びてきているので、iPhoneを合計するとやはりトップクラスだろう。Xperiaもau分を入れるとAndroid勢はもっと大きくなる。ドコモの2011年度第1四半期決算の発表では、スマホ販売台数は130万台で、これは昨年通期販売台数の252万台の半分以上を3カ月で売り上げたことになる。今年はすでに202万台に達していて、やはり新製品が出ると月に20-30万台出るので、新製品ラッシュに後押しされている。今年は年間売り上げ600万台という目標を上方修正するかもしれないという。
昨年のGoogleIOでのショックは正夢になりAndroidの躍進は凄いものがあったことがわかる。長年ガラケー天国であった日本においてもこの1年でのスマホ化は凄まじく、昨年の予測よりも速いスピードで置き換わっていると思える。ドコモも今年中にiモードをスマホに移行させるといっており、ガラケー時代の終焉は来年・再来年あたりにくる勢いだ。
これは必ずしもユーザーニーズがそうあるという話ではない。事実魅力的なアプリという点ではAndroidはこれからであろう。しかしスマホ利用者は1日あたりの利用時間が長く、キャリアにとってはデータ通信収入のさらなる増加が見込めるからだろう。ドコモの第1四半期のパケット収入は前年同期比で303億円増え、ユーザーの平均利用料は前年同期比110円増で、そのうち60円がスマートフォンのデータプランによるという。要するにスマホ化に乗じて(利用者に目立たないように)値上げが目論まれていることがわかる。一方でキャリア側は帯域確保という投資も必要になる。ドコモはLTEサービス「Xi」に移行することと、料金体系もそのときは従量課金が復活する。
と同時に今までガラケーという閉じた世界で完結していたアプリやサービスが、誰でも参入できるオープンな環境になりつつある。これは今までWebでやってきたことをスマホ向けに2重に用意しなければならないことで、ある意味大変なのだが、一度兼用の開発環境を作れば対応しやすくなることでもある。Webの側からすると、それで生活者へのリーチが倍増するならば再投資に値するものとなろう。
関連セミナー Androidアプリ制作の現状を学び、今後の可能性を探る 2011年8月24日(水)