投稿日: Aug 29, 2013 11:45:27 PM
モバイル、B2Bで加速
電子書籍は通販の一分野なのだから通販業界がしていることを学ぶ必要があることを何度と無く書いてきたが、出版系の人と話をする時に通販のビジネスにはなかなか興味をもってもらえなかった。要するに小売の局面にはなかなか関心がいかないでは、電子書籍が売れ出すことにはなり難い。日本の出版社はツクルことに比重が行き過ぎていて、市場の把握が弱いというのが特徴であろう。しかし世の中は直販や通販があらゆる面で成長していて、これは市場をどのように描くかがビジネスの核心になっているという意味である。
日本通信販売協会(JADMA)では、2012年4月-2013年3月の日本の通信販売市場の速報値を発表した。それによると、2前年比6.3%増の5兆4,100億円となり、前年に比べ3,200億円の増加となった。
伸び率は鈍化傾向にあるものの、消費低迷が続く他の小売業態に比べると高い成長率といえる。これはマイナス成長を記録した1998年度以来4年連続の増加傾向だということで、この間の景気の変動には左右され難い強い成長要因があったことを物語っている。
棒グラフの赤がJADMA正会員508社の売上高合計3兆3,400億円で、前年度に比べて3.4%増と、通販全体に比べれば伸びは低い。通販全体がそれよりも伸びているのは、
1.アマゾンの大幅増収、
2.スマホ・タブレットの普及に伴うネット通販の成長、
3.BtoB通販企業の成長等が挙げられます。
であると分析している。
以上を別の見方をすると、最初から通販という分野があるのではなくて、いろいろな分野が通販ビジネスに絡んできた結果として小売の中の通販の比率が高まったのである。これはJADMA自身の会員増がいろんな分野からきていることからもわかる。この夏の新入会の顔ぶれをみると、賛助会員ではトッパンフォームズ、富士ソフト、ソフトバンク・ペイメント・サービス、ダイフク、富士フイルムホールディングスなどで、通販はこういった会社のコラボレーションとともにさらに伸びていくであろうことが想像できる。
この集計は物販中心でデジタルコンテンツは一部しか含まれていない。しかしプロモーションからトランザクション、顧客サポートなど共通する要素は多い。商品そのもの以外に、こういった部分で独自の強みを出そうと切磋琢磨している、あるいはB2Bの発達にみるようにコラボを見直して組みなおしているのが通販の強みだろう。