投稿日: Sep 23, 2011 1:4:29 AM
スマホ・タブレットは単なるビュアと思う方へ
インターネット冷蔵庫が必要かとかいわれた頃に、インターネットタクシーのようなユビキタス実験も行われていた。インターネットのご先祖様であるアーパネットは軍用無線であったように、場所を構わずにつながるというのが特徴であった。これが電話回線の庇の下で商業化して発達し、今ケータイモバイルの時代になって本領を発揮するようになった。つまりモバイル環境は軍用情報管理と同等のことが誰でもどこでも可能になる時代だといえる。冷蔵庫はともかく移動体である自動車はナビが普及した。自動車側から情報を発信するのは、昔ならタクシーが系列化して独自に無線網を用意していたようなことが不用になり、それくらいはモバイルで十分可能な時代である。(しかし今でも独自のタクシー無線は運用されているのではないかと想像する)
つまりタクシーのように自力で無線網を持たずとも、タクシーの配車のようにサービスや営業で街中を回っているビジネスがネットでシンクロしながら効率を上げることが可能になった。生活者向けには位置情報を使ったゲームやサービスというのが増えているが、ことビジネス用途となるとまだこれからの感が強い。それはスマホなどの側には処理機能があまりもたせられないので、遊びのように使うのならともかく、「イマナラ」のようなサービスを提供するとなるとサーバ側にがっちりシステムを組まなければならないということもあろう。またガスの検針などすでに専用の端末を持ち歩いて運用するベースができているところは、次期システムのタイミングでしか変化できないということもあろう。
生活者向けと違ってビジネス用はすぐにユビキタス化に対応はできないにしても、システムの更新や、組織の改変、場合によっては企業の統廃合など、なんらかの変化の際には、ネットを介したシンクロ型のビジネスモデルに移行するのであろう。たまたまスマホやタブレットがPCの次の流行のように見えてはいるが、PCにそれらが置き換わるだろうということではなく、PCはバックオフィスで活躍し、街中ではスマホやタブレットが働く人を応援するように変わることが本質である。今は位置情報は販促によく使われているが、これも位置とか距離の情報から、お店に到達可能な顧客をリアルタイムに割り出してプロモーションするというもので、これらの技術によってビジネスマンの働き方はネットを介した同期型のビジネスモデルへと変化がもたらされるようになる。
企業における情報システムは、ユビキタスで働き方が効率的になることを前提に、顧客に関する情報管理も、働く側の情報管理も作り変えられることになる。それにともなって、かつては印刷物としてまとまった情報にしていたカタログや、系統化していたもろもろの販促ツールは要素ごとに分解されて、リアルタイムな情報ニーズに合うように自動編集されるなり、サーバにアクセスされて見られるようになるだろう。メディア制作やデザインをスマホやタブレットに照準を合わせるだけでなく、情報管理から見直しをしていかないと、ユビキタス時代についていけなくなるのだろう。
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