投稿日: Nov 14, 2012 12:58:17 AM
バブル崩壊の第2期が来ていると思う方へ
NHKの朝テレビでスピリチュアルに嵌る被害者の話を取り上げているが、占いベースの物販を伴った怪しいビジネスが多いようだ。現代の若者でも「あなたの前世は…」といった語りが有効であるというのはがっかりだ。教育というのが、まるでテスト対策と同義のように思う親が多い現状からすると、子供が育ってもメンタルのどこかにぽっかり穴が開いたような状態になってしまったのは必然だったかもしれない。このこと自身が日本の社会の大きな問題であると同時に、そういった生活者を相手にマーケティングをしていると、売る効率を上げるうえでは、自然と怪しいビジネスの物言いと似たようなプロモーションになってしまうかもしれない。日本が世界のどこよりもiPhone好きが多くなってしまったのも無関係ではないかもしれない。政治家が政治家なら、有権者も有権者という事態もこういったところに原因があるように思える。
社員が「霊感」に囚われていて、管理者が自己啓発セミナーのようなものに熱心で、経営者がスパルタ研修に熱心というのは、日本の似たもの同士の精神論依存の典型的な組織である。つまり真の問題は何かを突き止めて、それを知恵と努力で攻略していこうというベクトルを持たない組織なので、時流に乗って経営が一時的にうまくいったとしても長続きはしない。こういう企業の中にいるよりは独立とか起業した方がよい。私はノマドが万能とは思わないが、日本の場合はノマドの方がマシな場合はかなりあるように思える。しかしくどいようだが、やはり問題解決に力を集中できる組織のほうがノマドよりも大きな仕事ができるのは自明である。
日本の経済成長が1990頃のバブルを頂点に崩壊していったのは、経済環境の問題ではなく、非科学的経営が蔓延した結果で、いわゆる成り上り的社長の中には経営管理が出来ない人が多くいたからである。このことは当時に中小企業の技術コンサルもしていたので、前述の精神論中心の経営が技術革新とりわけデジタル化に対応できなくて、会社が分解してしまったり、消えて行ったところも見てきたから実感している。そして今再びデジタル化されたコンテンツがそのままネット上で流通するようになりつつあると、同じように技術革新の大波があるわけで、非科学的経営が沈没する時期を迎えている。
この1990年代のデジタル化は写植・製版・印刷会社の内側の問題であったのが、今度のデジタルコンテンツ流通はクライアントである出版社や企業ドキュメントの世界で起こる技術革新なので、いろんな業界にまたがった複雑な様相を見せつけだしている。例えば広告やプロモーションでいえば、今まではほぼ「霊感」商法であったのが、先の米大統領選の記事『ビッグデータ礼賛が見落としていること』にあるネイトシルバーの統計的手法のような科学的アプローチに負けていくだろう。
Mediverse+EBook2.0Forum 11月の研究会