投稿日: Jun 28, 2011 10:58:45 PM
インフラかプラットホームの方が儲かると思う方へ
今のところは…。現在人気のサイトであっても明日はどうなるかわからない。まだまだいろいろな可能性があるものの、ビジネスとして伸び続けると思われるのは通信と接続サービスのインフラと、AppleやAmazonのように自前コンテンツを持たないプラットホームサービスである。コンテンツも、それを包むメディアも、使い捨てなのだろうか? デマンドメディアやeBookのスパム本などの話題を見ていると、ふとそんな気もする。
オバマ大統領の登場のころからソーシャルメディアは台頭したのだが、同時にマスメディアにも異変が起こった。それまでもNYTimes.comのようなジャーナリズム系のサイトはネットでも良質のコンテンツを提供していた。しかしデジタルネイティブの電子新聞である Huffington Post が大きく伸びて、その潮流はイギリスでMail Onlineとなり、両サイトの急伸ぶりからすると、これらのサイトは新聞界の雄であるNYTimes.comを近く追い抜くのは間違いない。しかしこれはネットでのPVや利用者数であって、まだ紙の新聞の方が経営的には主体なのである。つまり紙と戦えるようなデジタルネイティブの電子新聞の経営基盤はまだできていないのである。
しかし情報伝達に関して紙媒体の専制が終わった現在、デジタルメディアの情報媒体としての評価だけでなく、ビジネスモデルも一皮向けないと、デジタルメディアへの投資は続かなくなってしまうだろう。CDROMが登場した1980年後半にはCD-ROM Review などの紙の雑誌がいくつも発行されるようになって、次々と制作・出版されるさまざまなコンテンツを紹介していたが、DVDの時代になってVHSに代替するころには、ゲーム以外のパッケージメディアはほぼ沈没していた。またCD-ROMそのもので雑誌に相当する媒体が作られるのかと思ったが、それも失敗していた。コンテンツを電子化すると、あれができるこれができる、と言われていたのが、実際に見ると面白みがないのである。触っているうちにコンテンツ全体が見わたせて、ああこれだけのものか、と思われてしまう。
ところがインターネットは、ひとつのサイトにあるコンテンツが不十分に思えても、インターネット全体が利用者にとっては雑誌であり百科事典であるので、無限に楽しめることが「サーフィン」であった。利用者はサイトの一つ一つなど気にはしていないので、サイト運営者にとっては自社サイトの再訪問をどうやって増やすかいろいろ工夫するが、利用者はブックマークなどしないし、RSSも思ったほどは使われていないで、すべての情報は「通りすがり」が対象のようになっているのが現在だ。
サイトの側からするとインターネットはアーカイブのようなものだが、利用者からすると電波の垂れ流しに近いもので、いくら情報をアップしてもtwitterのタイムラインのように流れていってしまうものに見える。情報発信者はどこかに利用者への引っ掛かりが必要で、SEOがさけばりたり、tweetがあり、いまそれはLikeに向かっている。そろそろメディアの着地点を真剣に考えなければならない。