投稿日: Dec 17, 2015 12:27:39 AM
スマホの使いすぎとか依存症が時々ニュースネタになるほどではあるが、びっくりするようなアプリが次々出ているとも思えず、どちらかというとICT業界は沈滞しているのではないかという気がする。一体スマホの何に人々は熱中しているのか知らないのだが、知り合いで時間待ちの多い仕事をしている人などは、待ち時間中ずっとスマホをイジっていて、手首がおかしくなったといっていた。余暇時間を奪っているのがスマホであるので、それまで余暇時間をシェアしていた他のメディアが割をくっている。
そんな中にタブレットもあるのだろう。AppleのiPadがそれほど売れていないという話を2015年には良く聞いた。まだMacの方が台数が出ているという話もあった。パソコンを打ち負かすことができないタブレットだったのである。もっともiPhoneが売れているからApple的には問題ないのかもしれないが、スマホから先にアプリが進展しないというのはICT業界的にはやはり沈滞であろう。
今日ではメールやSNSと1日のうちでどのように接しているかを考えると、PCよりはスマホで閲覧する機会の方が多いのだが、どうもスマホ画面ではPCに比べて情報の見落としが多いように思える。もともとメールやSNSは見なくてもよいような情報がいっぱいあるので、若干見落としていても大抵は何の差支えもないのだが、やはりスマホの小さい画面ではメディアとしての機能は劣るところがあると言わざるを得ない。その分を補うようなインタフェースの改善はそれなりに行われていて、CSSでスマホ用にレイアウトを切り替えることは進んでいる。それでも情報量の多いサイトはスマホで読むのは苦痛である。
思い起こすと数年前からモバイル・タブレット用の業務システムを考えたりテストすることに関ったのだが、定着したものはPDF閲覧しかなく、それは数年前からあったモデルだった。確かにここ数年でクラウド環境は進んで、PCのようなローカルストレージがなくても業務システムが組みやすくなっている。しかし持ち運びやすいこと以外にタブレットのメリットはあまり出てこなかったように思う。キー入力がやり難いことが致命的であった。
個人的には息子にMicrosoftのSurfaceを買ってやった時に、こっちの方がいいなと感じたのだが、その後の推移を見てもSurfaceは伸びているようで、シームレスなWindows環境で使えるとかキーボードも付けやすいことで、新規応用の立ち上がりがきわめて早そうだ。
AppleはパソコンとモバイルでOSを統合しないというし、GoogleもChromeOSとAndroidの関係が不透明なままできているので、中期的なシステムプランを考える上ではWindows環境でしばらく進もうということになってしまうのではないか、とうのが2015年の観測である。
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