投稿日: May 02, 2015 12:25:14 AM
知財権は厳密に運用すれば表現活動はやり難くなるし、アバウトにすれば権利者の不利になるとかもめごとが増えてしまうような、線引きの難しいものであって、永遠に問題を起こし続けるだろう。先般またブログが勝手に引用されたとか写真が盗用されたなどの話題があったが、アメブロの規約にはそんなことは見越した逃げ口上が書かれていた。
「第12条(知的財産権等)
2. 当社は、利用者が本サービスにおいて投稿、アップロード又は保存した全ての情報(文字情報、画像情報等を含みますがこれらに限られません)について、これらを保存・蓄積した上、本サービスの円滑な運営、改善、当社又は本サービスの宣伝告知等(第三者のメディアへの掲載を通じた紹介記事・コンテンツ等も含まれます。)を目的として、あらゆる態様で利用できるものとし、利用者はこれに同意するものとします。
3. 利用者は、自己の著作物に関して、第三者の権利侵害等の問題が発生した場合、自己の費用と責任においてかかる問題を解決するとともに、当社に何等の迷惑又は損害を与えないものとします。」
以前他の投稿サイトでもアップした内容は運営会社に権利が移ることが書かれていて問題になったことがあったが、投稿サイトは情報をシェアするのが本来の目的だから、権利者の保護が優先するわけはない。twitterをみればわかりやすいが、勝手に引用することは常識である。つまり情報をシェアする新しい「常識」がBlogサイトなどにも求められているのではないかと思う。
ただし運用者がするべきことは、他人の書いたBlogをパクッたのと、引用とか参照したのとの区別ができる仕組みをtwitterのように内蔵させることであろう。そうでなければ、上記のアメブロのような規約はルールではなく、単なる運営者の責任逃れと言われても仕方がない。
いっそのこと、ドメインに .public とか、 .ccとか .CopyLeft というのを作って、著者が引用を阻止できないようなところがあってもいいかもしれない。なにしろタテマエ上は新聞の見出しにも知財権は設定されていて、勝手に使ってはいけないという日本では、表現にまつわるサービスが広がることは考えられないから、その枠の外に表現の世界を作らなければならないのである。
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