投稿日: Sep 03, 2015 2:36:8 AM
この夏の電力需要の11%を太陽光発電でまかなったというのは驚きだ。それならば太陽光発電を現状の何倍かにすれば原子力発電はいらないことになってしまう。太陽光発電も完全ではなく、台風で壊れたり、掃除が必要になったりはするが、廃棄物の問題とか大事故の可能性はないだろうし、地元への補償金とか漁業補償のような経費もかからない。原発推進というのは、やはり相当ピンボケの無理強いに思える。それはすでに原発に関連してお金のまわる仕組みができていて、それを維持したいからやっているという本末転倒の人が多いことで変えられない制度なのだろう。
ただ太陽光でも他の代替エネルギーにするとなると、一極集中の発電から分散的な発電に代わるので、発送電分離とかスマートグリッドとか蓄電という別の課題がいろいろあるので、課題が多いのは確かである。しかしこれらの課題はいろいろなプラス面の波及効果が考えられるので、大変有意義なイノベーションのはずで、日本の英知を集約するのに値すると思う。
つまり小さな発電や蓄電が社会のあちらこちらにでき、それらがネットワーク化することによって、災害時の停電などを救済することができる。今のネットワーク社会というのも電気が無いと何も動かなくなってしまうものなので、今のような発送電が止まってしまったら災害時の救援とか復旧そのものがうまくいかない。ところが電気の自給自足の方向に行けば、災害時でも状況の把握が相当できるようになるだろう。
ソフトバンクの孫さんが太陽光発電に力を入れたのも、3.11時にモバイルの基地局への給電が止まってしまって、自分たちで自家発電機を取り付けて回った経験があるからだ。
電気の自給自足は災害対策だけではなく、次なる大きなイノベーションにつながる。モノのインターネットというのも給電がなければ役に立たないわけで、真のモバイルも同様にバッテリーを気にしながら使っているようでは本物のユビキタスではない。自動車や列車には何らかの電源が備わっているが、貨車とかコンテナになると不十分だろうし、農地や牧場、灌漑施設などもセンサーを張り巡らすのは現状では大変なことだ。貨車やコンテナや屋根とか塀とか太陽光発電して蓄電することが容易になれば、管理向上できる範囲はひと回り広がることになろう。