投稿日: Jun 27, 2013 12:28:40 AM
漫画喫茶がヒントになると思う方へ
人が本を読む気になる時と処がある。しかしそんなタイミングに紙の書籍が提供できなかったケースもある。例えば長旅があると、途中に交通機関待ちでかなりの時間を過ごす。海外の飛行場でも1時間空いてしまう事もある。そんな時に無理やり売店で何か本を買おうとすることがあるが、デジタル配信なら日本語のものも手にはいるのだから暇潰しにもってこいである。現に日本に来るの人のかなりがKindleなりタブレットをもって旅行している。
旅客機の内部でマンガの電子書籍が読み放題というのもあった。これはWiFiルーター内部にコンテンツを詰め込んだセットが既に存在していて、あちらこちらのイベントで利用されていた限定版「読み放題」を持ち込んだものだろう。記事『どこでも図書館』で「電子書籍も漫画喫茶の進化」といったのはこういった傾向であって、ネットで無制限にアクセスを許すのではなく、WiFiルータの電波が届く範囲のサービスに限定できて、コンテンツのブッコ抜きなどが防げる方法である。これは駅や病院の待合や、旅館・ホテル・入院病棟などでのオンデマンド、学校や会員制クラブなどメンバーが明白なところ、などいくつかのパターンができてきそうだ。
当然ながら医院・病院などではそこの従事者にとっても、職場で情報共有をするのにWiFiやタブレットによる情報システムは紙よりも利便性が高く、そういったイントラを構築しながら顧客や来訪者にも情報提供とか、もし子供が来るところなら電子絵本による啓蒙などもできるだろう。つまり本というのは老若男女すべてに対して表現方法が出来上がっているメディアなので、一つの目的(例えば歯の手入れなど)に対してすでにいろいろな紙コンテンツがある。それをベースにしながらも、病院・医院の待合というTPOに必要なものを体系的・網羅的に揃えられるのがデジタルメディア(電子書籍も含めて)といえる。ミニ図書館という形の情報環境の構築である。
つまり待合に置いてあるマガジンラックに関連したすべての紙媒体や、その英語・中国語・韓国語版を置くことはできないが、WiFiルータの中にセットすることならできる。ではいっそのことWebにしてしまえばいいのではないかと考える人もいるだろうが、Webは情報のメンテナンスが必要になるので、年中同じものを並べておく場合はよいが、季節ごととか、トピックな情報を出したり引っ込めたりするのは、仮想「本棚」に並べるだけの方が素人にとっつきやすいのではないかと思う。
Webの世界はデザイナやクリエータが関与して見栄えのよい、心地よい、リッチなマルチメディアが発達するであろう。それに対して特定の目的に絞られたニッチな用途では、兼任の担当者が片手まで十分扱いきれるような配信が先に進むのではないだろうか。