投稿日: Nov 25, 2013 12:5:6 AM
中国を警戒する日本人が増えているが…
昨今の中国の対外的な動きについては内憂外患であって、国内にいろいろな問題を抱えているので、国民の眼をそれらから逸らせるために、対外国の問題を際立たせ、また危機感を煽っているという見方が強い。国内問題はpm2.5のような健康問題から共産党内の腐敗、チベットや新疆のような少数民族自治など、確かに山積みであろう。しかしそれらの問題は「何か」を外国のせいにして解決するものではなく、やはり中国国内で自分たちが努力を積み重ねなければならない問題である。
日本が太平洋戦争・第二次世界大戦へ突き進んだような愚は、歴史的に見るとそれ以降は殆ど無く、特に巨大な国家であるインドやブラジルなどをみると、破綻に至らないようなメカニズムが自然とできていって、危機を乗り越えて経済成長もしていった。それらの国々も未だに大きな問題を抱えてはいるものの、それによって今後国が破綻する方向に進んでいるとは考えられない。
それらの国に比べて中国の発展は若干順序が異なっていて、共産党の解放政策である鄧小平の「富める者から先に富む」は外貨獲得が先になって、輸出の製造業が発達し、その生産力が国内の物流を豊かにしている。これは発展途上国が経済成長と共に欧米からの輸入が増えて黒字が溜まらないのとは対照的な経済政策で、うまく輸入をブロックしてきた。
中国の貯金はまず国内インフラに使われ、さらに外国に依存する資源確保に使われた。これらの国家運営に必要な基盤はある程度は整って、次の時代を迎えつつあることが、一見すると内憂外患を起こしているように思える。今までの貿易黒字を積み重ねる経済優先をスローダウンしてでも冒頭の国内問題重視に変わらざるを得ないわけだが、国内の「富めるもの」をスローダウンさせるのは簡単なことではなく、そのために貿易額を減らさざるをえない状況をつくりだしているのではないと思う。中国の経済成長に対して諸外国が反感をもつのを緩和する効果もあるだろう。またTPPなど諸外国の干渉を受け難くすることにもなる。
世界に立ち遅れない程度の付き合いはするが外国との関係は距離を置くために、外交に意図的にブレーキをかけてるのが尖閣諸島を始め韓国・フィリピン・ベトナムなどの国境の壁を高くして、経済的影響を受け難くし、生産力を内需拡大に向け、むしろ国内問題に取り組むのだろうと思う。中国共産党への国民の支持や依存は、日本や欧米の比ではなく、その関係はむしろ中国の国力となっていることは侮ってはならない。