投稿日: Dec 22, 2014 12:11:50 AM
IT関係の2014年のニュースというのも、記事『2014年の大ニュース』と同様に10も挙げられない気がする。もっとも大きかったのは「ウェアラブルの空振り」ではないだろうか?腕時計型、グラス型のいずれも、コンシュマー向けに進出できなかった。もっとも業務用とかニッチな世界では利用は進んでいると思うが、それはこういったデバイスの問題ではなく、これを必要とする状況が先にあったからである。ニッチな分野にとっては従来高額だったウェアラブルデバイスが安価になるという変化があったことになる。
もっとも賑わったのはロボットだろう。生産ラインの産業ロボットやヒューマノイドなどでは日本は先行していたのだが、軍用とか、お掃除ロボットなどの実用分野では後塵を拝するようになった。自動車の無人運転とかドローンに関しても似たことが言える。これは実用分野というのはいろいろな規制が存在するから、日本はがんじがらめになって動きにくいのであろう。工場の中とかオモチャのような差し障りのないところでしか自由な研究開発ができにくい。
セグウェイのような新たな乗り物の登場時も、日本ではまず法規を作ってから認可をするというような動きになるので、新製品は市場に出回り難くなる。日本のように稠密な社会で、特に都市部においては無人運転やドローンが問題を起こす可能性が高いということなのだろうが、逆に日本の過疎の地域などではそういう実験も問題ないはずなので、日本を都市も地方もすべて同じ法律で括ることをやめて、開発の「特区」のようなことをすればよい。確か筑波ではセグウェイが使えたはずであったと思うが、そういう指向で地方に分散して自由な開発を広げればよいはずだ。
ITのサービス面では変わり映えのしない年であったと思う。ウチの奥さんもPCのスイッチを入れるのは2週間に1度くらいになってしまって、ほとんどPCのメールは無視するようになっている。つまりEC関係もスマホで広告しなければならない時代である。そして大抵のECサイトはスマホ対応はしているが、スマホで売れるものはPCの時と比べて限られてきているのではないかと思う。つまりネットで販売される商品の種類は増え続けてきたが、スマホ時代は画面の制約から絞られるようになるのではないか。
ここには何か新しいインタフェースとか表示方法が必要になるように思える。
アプリケーションソフトの世界は「パッケージは遠くなりにけり」で、ここ何年間はダウンロードしか購入したことが無いが、さらにダウンロードもしないクラウド化が進んでいる。かつてのパッケージソフトは使いこなせないほどの機能があって、それは奥行きともいえるもので、達人と初心者をわける壁を作っていたのだが、クラウド型になると達人が登場しえなくなるのではないかと思うことがある。つまりすぐ使える機能だけが提供され、またアプリの更新もいつの間にかされるようになると、アプリのバグも周知した達人というのはあり得なくなってしまう。従来のオタク・廃人も引退せざるを得ないのかもしれない。
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