投稿日: Jun 08, 2013 1:30:53 AM
クラウド時代によせて
ここ数年は家で同じWindowsXPを使っていて、中のHDDは入れ替えたが、古い250GBHDDを今は外付でバックアップ用にしていたのだが、それがパーティションが認識できなくなり、いろいろな復活ツールを使ったものの復元しなくなってしまった。前職では家でも仕事をしていたので、その関係のファイルも多く入っていて、某試験の原案とか、いろんな企画書とそのための資料があったのに、参照できなくなってしまった。もとより既に用の無いファイルでこの2年ほどアクセスしたことがなかったので諦めてのよいのだが、一部は前職を離れてからも継続的に研究しているテーマがあるので、おいて置きたかった。
HDDの物理的損傷ではなく、ファイル管理上のソフトエラーは、MBR、パーティション、などが壊れてWindows からは認識しなくなっても、ツールによってはHDDの中からフォルダ構造を探し出して復旧するものもあるのだが、それもダメだった。この種のソフトは2通りあって、フォルダ構造さえわかれば、ファイル名は連番などにして復旧するものがある。しかしそれでは10年近くでおそらく100万ファイル以上はあろうかという場合にはターゲットとなるファイルを探し出すことが難しくなってしまう。
で、奥の手としてはHDDの中を総スキャンしてファイルを探すものがある。これをするとファイル名とデータ部分がリスト化されるが、ツリー状ファイル構造がなくフラットに羅列されるので、これも100万ファイルがHDDに入っていると、整理が大変になる。
当座必要となるのは音楽関係のものだったので、ファイル名で識別可能だから、総スキャンするツールで分析したのだが、スキャンに数時間を要した。その後が大変で復元可能なファイルリストにバックアップとして取り出すかどうかのチャックを入れていかなければならない。必要なのがデジカメのjpgだけとか、音楽のmp3だけ、のように拡張子が決まっていると作業は簡単なのだが、必要なファイルがいろいろ混ざっているとすべて手作業になる。それを1日かけてやりながらいかに膨大な数のファイルをPCで扱っていたのかを身に沁みて感じた。
しかも我ながら生活のいろんな局面でPC及びネットを使っていたのだなと改めて思うほど、雑多なファイルが膨大にあった。例えばネットで買い物をする時にはブラウザでHPを見るだけではなく、比較用にHPの保存などをしていたので、1ページでもhtml+jpg+gif....何十ファイルで構成されていて、それが10年近くあるとおそらく10万ファイルはあろうかと思えた。仕事の下調べも同様で10万……というようにいろいろな分野ごとに残っていることは、いかに過去10年ほどがWindows上という安定した環境で過ごして来たのかということでもあった。だからこそITが各分野に浸透したということでもあろう。
21世紀に入ってASP型とかクラウド型のサービスも利用するようになって、使っている当座は何も考えなかったのだが、契約を止めて利用のためのアカウントが失われるとともに一切跡形も無くなってデータも失われる。有料のBlogサービスとかも自分でローカル保存をしておかないと何を書いたのか振り返ることはできない。無料のBlogなら何時までも残っているという不思議さもあるが、ともかくいずれにせよWindowsよりもクラウドの方が過去を振り返ることが難しく、無常観が強くなっていくように思える。