投稿日: Sep 14, 2012 1:2:48 AM
Appleの方向は見えたか?
iPhone5の発表で騒がれているが、つきつめると画面を長くしたことしか印象に残っていないような反応は、実は新たなサプライズのなさにガッカリのあらわれなのかもしれない。しかしこれまでのiPhone5のリークから想像すると、まだ隠されている機能はあるように思う。それが今の段階で予告できないのはAppleの秘密主義とか独自路線が Steve Jobs の時代よりも強まっているようにも思える。Appleの後継者はこの世の泥試合に嵌っていくよりも、今の経営者がJobs師の遺志を継いでいることを印象付けることが、ブランドを守る上で重要だと考えているのだろう。
とすると、あまり外部からあれこれ要望してもAppleは反応してくれないかもしれない。地図情報を自分でサービスするのは大変コストがかかるだろうが、まあ金持ちだからいいのか。今の経営者はエキセントリックなことはしないで、利用者に必要な当然の機能に関してAppleらしさを出すことが優先だろう。Jobs師はeBookに関しても内容の審査をしたのは、Appleブランドのコンテンツを他から差別化するためであったろう。地図でも他のものでもサプライズよりは「Appleらしさ」についてJobs師が考えていたことを実現していくのだろう。
今回ICタグ関係の発表は無いが、これが隠された機能の一つであるように思えて仕方ない。ICタグ応用に関してはB2Bのシステム対応なので、まだ関係企業の準備が出来ていないのかもしれない。つまりAppleだけが独走する時代ではなくなったので、Appleが独自路線のガイドラインを作って、それに奉仕しつつビジネスする関係企業のファミリー世界を作ろうとしていると考えられる。例えばAdobeのFlashを潰しても結局はAppleのネイティブアプリを作らなければなくなったら、開発者にとってはほとんどオープン化のメリットはない。
つまりiPhone・iPadでの応用の充実の時代は、オープンソースが前面に出られない時代になる可能性がある。オープンソースもlinuxが結局AndroidやeBook端末の下支えになったように、エンジニアの善意のコラボの産物であるオープンソースはクラウドの世界以外では覇権的商業技術の下僕に過ぎないものとなっている。世界的にビッグビジネスをするようになったAppleはSmartTVとかマスメディアのようなサービスには食指を動かしても、ITのシステム分野で大勢を占めることはないだろう。
iPhone5で背景の黒面積が若干増えただけでもうれしがっているファンは受動的でお人好しであるが、そこに依存しているとAppleは脆くなってくるだろう。