投稿日: May 05, 2010 1:50:1 AM
既存メディアは裸の王様なのでは、と思う方へ
日本のメディア産業は、過去には再販制や電波行政などにみるように特別な地位を得てきたが、それが今や逆に桎梏になってきた。いろんな意味でジャーナリズムは持ち上げられていて、その実は奥座敷に幽閉されていたのである。つまりツ×ボ桟敷というヤツで、そこで何か考えても「殿様商売」に終わってしまう、というようなことを繰り返していた。先に「マスの成功体験から早急に脱却を」といったが、脱却すべき点を以上の観点で絞り込んでみようと思う。
ITビジネス交流ネットワークの清水計宏さんは、もうメディアビジネスはダメ、とおっしゃる。これを私は部数やオーディエンスの数字で語れるビジネスではなくなったことだと思った。しかし既存ジャーナリズムが自分の存在意義をしているところは、いまだにこのような数字であって、デジタルメディアは取るに足りないと安心してしまう。定性的な調査でも既存の客にアンケートしたところで、ビジネスを伸ばせるものにはならない。現在は客ではない人たちが自分のメディアをどう思っているのか、それに対して何をなすべきかという調査が本当は必要なのだろう。
ビジネスが守りになると、いろんな点で過去しか見ていないことになって、もっとよい未来をプレゼンテーションする能力がなくなっていく。そのようなことを考える人は抜けていくからだ。仕事の中から想像と創造をなくすとルーチンワークだけが残るので、それで満足する社員ばかりになってしまって、泥の船となる。このような方向に既存メディアビジネスの半分くらいは陥ってきているような気がする。とすると産業としても半分は解体か? 清水さんは半分ではなく殆ど解体と言うかもしれない。
ここから脱却しようとする人は、既存のメディアの3つの病、世間知らず、顧客知らず(参考:メディアも直販時代には自立したビジネスを)、マネジメント知らず(参考:出版は、やはり三位一体で伸びるが…)、を治さなければならない。(メディア:未来の選択肢に続く)