投稿日: Aug 14, 2015 2:30:48 AM
インターネットでオークションが広まって、世のかなりのガラクタが経済化された。日本ではそれほどオークションの買い手が多くはいないが、世界的にはもっと活用されている。特にヴィンテージアイテムとその関連のものに関してはすごく有難い状況が出てきていて、例えば昔のステレオの針などは一時期入手難であったのに、今では古くても大抵のものはネットで調達可能になっている。おかげというか、以前は二足三文で買えたのが、値段も一丁前になりつつある。それには理由がある。
しかしヴィンテージもののビジネスは容易にはいかない。レコードの針でもデッドストックを集め回ることはできるかもしれないが、顧客の要望に応えられるような品揃えや、顧客が探しやすいように分類整理することをしなければ、商売としては成立しない。これが問題で、古今東西のレコードプレーヤーを調べ上げ、針の生産元と音響メーカーへの納入の関係、音響機器の型番と針の型番の関係、針の互換性などをどうやって知るかである。つまり針を作っているところは、いろいろなカートリッジメーカーに提供し、そのカートリッジメーカーはいろいろな電気メーカーに納入しているので、同じ針でもそれぞれ別の名前で扱われているから、そのカラクリがわからないと顧客対応ができないからである。
このように品物があっても売るところまで行けないものはいろいろある。アナログ(ビニール)レコードもリサイクル屋で100~500円で売っているのに、その同じものが専門店で1000~5000円で売っていたりして、商品の分類整理ができるかどうかで価値が変わる例である。
私もオークションで45回転盤レコードを買うことがあるが、上級マニア向けの店が最も信頼できるものの最も高額であるので敬遠する。一方なるべく安く買いたいならば、分類整理の悪いところを狙うのがよいが、面白いものを見つけるのが大変である。音楽にはカントリーとかジャズとかロック、POP、ソウル云々といったジャンルがあるわけだが、そういうジャンル分けを全然していないと1枚300~500円で、何万枚に1枚くらい面白いものがあるかどうかになる。ジャンル分けとサブジャンル分け、さらには時代分けをすると、同じ様なものでも1枚1000~2000円くらいになる。そしてレアで人気のあるものは何千何万円にもなる。
つまり目利きというものは、ジャンル分け、時代分け、グレード分け、人気分けなどを勘案しながら値段をつけていける人ということになる。たとえ値段をつけるのが購買側であるオークションにおいてでも、そういう値段がつくように、分類整理をして棚に並べておかなければならないのである。