投稿日: Sep 14, 2011 11:25:3 PM
IT投資は小さくなったが…と思う方へ
コンピュータを使う仕事が多大な設備投資を必要としなくなってかなりの年月が経つが、ハードウェアの縛りがなくなった分だけソフトウェアの仕事は自由にできて、ビジネスとして伸びたのだろうか? かつてはコンピュータシステムの導入は会社の経営上の大きな問題であったのが、今では事業部門の年間の収支の範囲で情報サービスが考えられたり発注されるようになって、一般には小さい仕事が小刻みにあるような姿になっている。このような需要構造ではソフトウェアやデータ処理の仕事をする会社は経営が難しい面もあり、BPOやオフショアを組み合わせて顧客のビジネスの総合的なお手伝いをする傾向が見られる。
顧客側にはいろんなニーズがまだ埋まっているとは言っても、昔のように何年間かのトータルで節減効果があるからという言い方で初期投資をしてもらうことは、今の年間予算の範囲でやる時代には無理がある。そのために発注される仕事は、たいていが緊急で、目的がピンポイントで、予算が最低、という流れができていて、その都度に頭を使ったり開発できる範囲は狭まっていくと感じている人もいる。そういう仕事の状況にある会社はなんとかこの状況から抜け出さないと、顧客のビジネスの先回りをしたようなソリューション提案など夢のまた夢である。
ビジネスの現場やデータ処理の現場がこういった問題で身動きできなかった反面、マイクロソフトのOfficeでもオープンソースの世界もそれなりに進展があって、大抵のデータ交換はXMLでできるようになってしまい、かつてのようにこれからXMLによるシステム構築をして云々と身構えなくても、一般向けのサービスとしてWebのマッシュアップ、Blog、ePub、HTML5と、日常にXML的な運用があふれるようになった。むしろ過去からの仕事を引きずっているところだけが自縛的になっているともいえる。
もし上記のような困難さを感じていたとしても、取り組む選択肢は一つしかない。かつてのようにどこかの支配的なベンダーに文句を付けることはできなくなっている。今後その仕事がどうなるだろうかと考えると、無くなってしまうかもしれないものは今できることだけしていればいいだろうが、伸びる可能性のある仕事はデータの使い回しやいろいろなアウトプットが増えることは確実なので、使っているのが既存のアプリであっても、既存のデータであっても、まずは日常のデータ加工のレベルでXML的な運用ができるように変えることを積み重ねていくべきである。そのような土台があれば、ネットでのサービスと結びついて自由にデータが羽ばたける時がくるかもしれない。今すぐネットで新ビジネスという必要がなくても環境を整えることは先行しておくべきだ。
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