投稿日: Dec 20, 2010 10:42:17 PM
ネットビジネスがピンと来ない方へ
ECというと「ネットでお買い物」のことだと限定的に考えてしまう人もいるが、SCMとか調達代行(プロキュアメント)、マッチングサービスその他いろんなところでBtoBの大黒柱になってきている。過去のビジネスは伝票のやりとりや帳簿への転記で処理していたものがオンラインのコンピュータtoコンピュータになったことが、基幹システムの変化だけに留まらず、新しい仕入先との打ち合わせや、顧客のサポートなどいろいろなところに波及している。これはマーケティングから販促まですべてを貫いてビジネスの背景には必ずネットとコンピュータがあるようになった。これはeBusinessと呼ばれる。
つまりネットでモノを売ることを効率的に行いたいならば、Webのショップやケータイの販促という顧客との接点だけでなく、仕入れから発送まですべてをeBusinessの上に乗せて、トータルな効率化を考えなければならない。それはAmazonを見れば最初からチャレンジしていることで、日本のアスクルでもネットスーパーでもそういう方向に邁進している。ネット上のビジネスの競争は、それが本であれサービスであれ、eBusinessの力や工夫が鍵になる。だからネットでのビジネスモデルでは考えておかなければならない要素である。
しかし一般に企画系の人はeBusinessに興味がないようで、ネットでのビジネスをうまく設計できない傾向にある。下の図はいろいろなネットのビジネスを整理したもので、これらを関連付けて考えると、新たなヒントが得られる。
コンシューマ向けのBtoCの典型はショッピングで、ぶらぶら見て、おもしろいものを発見して買うというもので、その対極にあるのはBtoBのサプライチェーンマネジメントで、個人からすると全然おもしろみはない。ショップは立ち寄ってもらって発見してもらう。ストアは貯蔵しておくという意味で、そのモノがあるところに買いに行く形になり、目的買いになるが、なるべく賢い買い物をしたいとなると、事前にどこで買ったらいいのか、いくらなのか、サービスはどうか、比較サイトを経由してストアにたどり着くようものである。
調達代行は、例えば蛍光灯が切れたから買わなければならない、補充しなければいけないという類のものがビジネス上も多くあり、要るとなったらすぐ持ってくる調達の会社、あるいは要不要も判断してくれて不足が起こらないように自動的に調達してくれるサービスがある。
それから、食べ物屋さんなら、米がないとご飯が炊けないような必須な仕入れについては在庫も含めて最適仕入を考える必要があるので、年間これだけ使うのだからいくらで、などの条件をあらかじめ決めて自動調達の仕組にするサプライチェーンマネジメントがある。
こういうビジネスの形態は今までばらばらだったのが、ネットで境界が低くなって、「あ、こういうものもあったら便利だ」というネット上でのクロスセルとか、アップセルが出てくる。一旦どこかと取引をしている中で紹介されるものについては、お互いに信用できるところ同士でリンクが貼られているので、まったく見知らぬ相手でも信用度合いが高い。アフィリエイトも信用力によって販売促進するものである。見知らぬマーケットという大海に向かって商品を投げつけるようなECではなく、信用のリレーションの中でビジネスを成長させるような考えが必要である。