投稿日: Dec 22, 2012 1:3:23 AM
発想が貧弱になっていると思う方へ
年末に入っていろんな分野の10大ニュースがまとめられているが、IT分野で日本の活躍が世界の10位にランクインしているものがいくつあるだろうか? 自動車や家電に続いてITはかつての輸出産業の一翼を担ったものだが、ガラケーからスマホに移行しただけで日本は2兆円の赤字になった。自動車は海外生産で持ちこたえようとしている。家電は崩壊である。ITはどうなるのか?安部政権が景気浮揚とかいっても、日本がITで負け続けていく限り日本の赤字はどんどん膨らんでいくのである。
一番ひどい分野はクラウドである。クラウド関係の10大ニュースでは、日本勢が入っていないのはまだ仕方が無いとしても、そこで話題になっている会社や製品が、日本でIT関係の仕事をしている人でも殆ど知っていないほど、日本はクラウドの辺境になりつつあるのである。一方で中国はアメリカのモデルを真似て自国版を運営するようになって、Googleでもfacebookでも類似サービスを、億の単位の利用者に提供するようになっている。日本にはIT利用のスケールにおいても相対的に相当下がってしまったことを意味している。
ホットな話題を取り上げている @Agile_Cat や @cloudnewsj が面白いのだが、例えばこの1年をまとめた
みんなを支える Data Center 特集 http://wp.me/pwo1E-5qA
みんなが 期待の Open Cloud 特集 http://bit.ly/T0WMZl
などに日本の話題はSony のゲーム・ネットワークにおいて、何百万という個人情報が危機に陥ったことぐらいである。韓国のサムスンはAppleと世界のあちらこちらで訴訟合戦をして、実際にiPhone以上にGalaxyを売った。まだ電子教科書やいろんなチャレンジ目標をもっていて、日本人からするとカラ元気のように思えるものもある。しかし逆の立場で見るならば、カラ元気のようなものすら日本から消えつつあるように思える。
例えばの話、日本でも電子黒板や電子教科書というのは教育現場では考えられ始めているが、国として義務教育に必要なコンテンツは全てクラウドに置いて国民が自由に使えるようにするというくらいの施策が、世界的に見ると各国のITビジョンの水準なのだが、日本人(特に役人・政治家)の発想は小さすぎて、おそらく国政でもネットによる迷惑防止や犯罪防止のようなちまちまとキリのないテーマを永遠に議論を続けていくのだろう。
何事をするにつけても、将来に向けてITで道が切り開かれていくイメージがもてないならば、グローバルな競争に並ぶことはできない。