投稿日: May 18, 2010 11:16:2 PM
ネット時代に既得権益は守られるか心配な方へ
今、クラウドだ、ソーシャルだ、と騒がれるのは、過去からの経緯とどうつながっているのかを振り返ってみたい。クラウドがもたらすデータルネッサンス という記事標題は、最近ルネッサンス(人間復興)という言葉が時々出てくるのでつけたのだが、なぜルネッサンスに例えられるのか? 中世に相当するものは既存の経済とメディアである。それが変わろうとしていると感じている人がいるのだ。本当か? 過去のITの大波はザクッとみると以下のようになるだろう。
1980年代 導入=CPUchip 効果=ダウンサイジング 衰退=ハード主導ビジネス
1990年代 導入=ネット 効果=オープン化 衰退=ソフト囲い込み
2000年代 導入=BornDigital 効果=居ながらライフスタイル・中ぬき 衰退=ストア・代理
2010年代 導入=クラウド・ソーシャル 効果=新たな結合 衰退=既得権益
細かい説明はどこかで話したいが、2000年以降にeBay、Amazon、Google、という先駆者が現れて、情報だけでなく人の行動のきっかけもNetFirstに変化し始め、それが2010年代には実経済や人や組織の関係もNetが中心に据えられたものに変えられ、その間に過去のしがらみが解かれて、新たなプレーヤーが活躍する場ができるだろう、という筋書きが出来上がりつつある。
個々には今後書いていくが、例えばリアルの店舗での売買でも、カードや電子財布を使う場合にはネットでの個人認証があるわけで、これはTカードのようにビジネス主体側が他と提携している場合は、アフィリエイトで特典を与えることが可能なので、ネットのビジネスで発達した有効な顧客関係維持がリアルでもそのまま活かせることになる。つまりリアルとネットで別のシステムを持つとか別運営をする必要はなくなる。ネットでの先行経験がリアルに反映するし、リアルの経験がネットにも反映する、という点で既存のリアルの既得権益でどんなビジネスも縛ることができなくなるのだ。